流通:食は医力
【シリーズ・食は医力】第63回食卓にもっとトマトを2014年6月24日
・毎食必ず1個を
・豊富なビタミン群
・ガンを抑制するリコピン
・先付果物は効果なし
○○健康法というのがはやっていますが、トマト健康法というのをご存じですか。中でもトマトを食事の冒頭いただくという「先付けトマト」食事法は血糖値を劇的に下げるというので注目され始めています。
◆毎食必ず1個を
先付けトマトとは、食事の最初にトマトを一個、ミニトマトなら数個をまず食べるだけの、簡単な食事法です。
最初から麺、ご飯、パンなどをどんどん食べていくと、穀類に豊富な糖質(炭水化物)が吸収されて食後血糖値が急上昇してしまいますが、トマトは糖質が少ないので、その心配はありません。
そもそも野菜の多くは糖質が少ないので、トマトに限らず、野菜を最初に食べると食後血糖値を上昇させにくいのです。
だから、まず初めに大根でもキャベツでもレタスサラダでもいいのですが、それよりもやはりトマトが好都合です。
◆豊富なビタミン群
なにしろこの健康法は毎食、続けることが大事なので、「必ずトマト一個」というのが忘れにくく簡単で習慣づけやすいところがミソなのですね。国民病と言われる糖尿病(含む予備軍)の方はどうぞお試しください。
トマトは昔から真夏にぴったりの食物ですが、最近はいつでも店頭に並んでおり、年間を通してトマト健康法を実践することはなんら問題ないでしょう。ただし後で述べるように調理法には気をつけてください。
糖尿病に限らず、トマトには豊かな栄養が詰まっているので、健康な方、未病の方、健康が少し気になる方、トマトをもっと食事に取り入れてはいかがでしょうか。
トマトの強みは何よりもビタミンの豊富さです。A、B群、Cのバランスがいいのですが、特にB6は脂肪や蛋白質の消化に重要な役割を果たしてくれます。マルガリータはじめトマトがたっぷり乗っているピザは良いピザである、というのが私の持論です。
◆ガンを抑制するリコピン
そのほか[1]血液をサラサラにする、[2]血管を丈夫にする、[3]血圧を下げる、[4]肝機能を強める、などの効果もあり、先付けに限らず、食事の途中でもトマト料理を多彩に取り入れるようにしましょう。何より赤い彩りが食卓を盛り上げてくれます。
さらに最近、トマトに多く含まれる非栄養系カロテノイドの一つであるリコピン(lycopene、リコぺン)が注目されるようになりました。これはトマトだけでなくスイカ、ニンジンなどの赤い色素に含まれているフィトケミカル(phyto-chemical 植物系化合物)の一種です。
リコピンは抗酸化力が高く、ビタミンEやベータカロチン以上に活性酸素の働きを抑えます。このためガンや潰瘍を抑制する作用が注目されています。
リコピンは、トマトジュース、トマトケチャップ、トマトソースなどの加工品でも損なわれることはありません。むしろ濃縮されて存在しているので、積極的に利用しましょう。
ベータカロチンと同様にリコピンは脂溶性なので、油を使うソテーやシチュー料理はリコピン吸収に優れており、特にオリーブ油をトマト料理に使うのは理にかなっています。
最近はリコピンの含有量が普通のトマトの2倍以上という「こくみトマト」を店頭に見かけることが多くなりました。こちらは財布と相談の上ですけれども。
◆先付果物は効果なし
良いことずくめのトマトとはいえ、陰性度の高い野菜なので、夏、それも肉大好きの陽性な人にはぴったりですが、冬や陰性体質の人は、生食でなく熱を通して食べることをお勧めします。シチューやソテー、湯通しなどでいただくのがいいでしょう。
なおトマト先付けの注意点ですが、トマトと似たようなものというので果物を最初に食べるのはいけません。果糖のために血糖値は下がらないのです。甘いフルーツトマトも高糖度なので先付け効果は限られてしまいます。赤い、酸味十分の完熟したトマトがお勧めです。
重要な記事
最新の記事
-
9月の野菜生育状況と価格見通し トマト、ピーマンなど平年を上回る見込み 農水省2025年9月1日
-
「北関東3県魅力度向上キャンペーン」茨城県・栃木県・群馬県の新米頒布会を実施 JA全農2025年9月1日
-
「福岡県産シャインマスカットフェア」みのりカフェアミュプラザ博多店で開催 JA全農2025年9月1日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」甲州牛と山梨ワインでバーベキューを堪能 JAタウン2025年9月1日
-
【人事異動】日本農業新聞(9月1日付)2025年9月1日
-
9月の飲食料品値上げ1422品目 秋に大規模な値上げラッシュ 帝国データバンク2025年9月1日
-
「令和7年度実用新技術講習会及び技術相談会」開催 農研機構2025年9月1日
-
茶殻とコーヒー粕によるバイオ炭循環モデル 静岡県で構築 地域資源循環を推進 伊藤園2025年9月1日
-
世界初 有機薄膜太陽電池を活用したブドウ栽培 実証試験を公開 山梨県2025年9月1日
-
自律走行AIロボット「Adam」マルシメと連携しシェアリングサービス開始 輝翠2025年9月1日
-
滋賀県と連携 オーガニック野菜の担い手を育成 坂ノ途中2025年9月1日
-
グリーンコープのびん牛乳 アビスパ福岡アカデミーへ提供開始2025年9月1日
-
Secoma×新十津川町「しんとつかわお米シロップ」使用第五弾のパン 1日発売2025年9月1日
-
シンとんぼ(157)-改正食料・農業・農村基本法(43)-2025年8月30日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(74)【防除学習帖】第313回2025年8月30日
-
農薬の正しい使い方(47)【今さら聞けない営農情報】第313回2025年8月30日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(1)2025年8月29日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(2)2025年8月29日
-
計画荷受けと適正人員配置を 全国農協カントリーエレベーター協議会 大林茂松会長2025年8月29日
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発に注意 石川県2025年8月29日