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シリーズ:食は医力

【浅野純次 / 石橋湛山記念財団理事】

2015.07.23 
【シリーズ・食は医力】第75回 腰痛は体からのSOS一覧へ

 腰痛は人間だけの病気で二本足ならではの宿命だとか。四本足の動物は絶対にならないそうです。背骨の構造上、それはそうなのでしょうが、でも猿はどうなのか。誰か猿について調査したことはあるのでしょうか。
 それはともかく、腰の痛みはとてもつらいようで(私は軽症ですんでいますが)、整形外科からカイロプラクティック、マッサージ、鍼、灸といろいろ試してみても効果がないと嘆く友人もいます。

◆療法特定難しい

 知り合いの医者の話では、腰痛の原因はたくさんあって、しかもそれが複合することもあるので、療法を特定するのがなかなか難しいのだとか。
 いちばん簡明なのはぎっくり腰で、これは中腰で重いものを持ったりしたときに起きやすいことはご存じでしょうかね。なので、私も重いものは十分に腰を落としてから体を十分寄せて持ち上げるようにしています。
 椎間板(ついかんばん)ヘルニアは背骨の骨と骨の間にある椎間板という緩衝材のような組織が外へはみ出して神経を圧迫することで痛みを感じる症状です。
 パソコンを長時間、操作しているような姿勢も原因になりますが、そういうときは両足を高めの踏み台に乗せて作業するようにするといいでしょう。
 ちなみにヘルニアはラテン語で、組織や器官が本来の位置からはみ出したりずれたりした状態を言います。


◆内科的疾患が原因も

 腰痛の原因はこのほかに、骨粗しょう症、腎炎、胃腸疾患、結石(腎、尿管)、ガン、子宮筋腫、風邪などの発熱、糖尿病などいろいろあるようで、とても一筋縄ではいきません。
 その意味では、腰痛だから背骨、であれば行き先は整形外科、などと決めてかからず、むしろまず内科的疾患を疑ってかかったほうがいいのかもしれない。
 私の元同僚は60歳ごろ腰が痛いと言うので、温泉にでも行ったらなどと勧めていたのですが、しばらくして前立腺ガンだったかで亡くなってしまいました。腰が痛いというのは内科的なシグナルだったのです。


◆恋愛と腰痛は?

 腰が痛いというとしばしば処方されるのが筋弛緩薬ですが、これは高価な割に対症療法にすぎないことがしばしばです。医学専門書にも「その有効性は明白ではない。特に高齢者は副作用を経験することが多い」(メルクマニュアル)とあるので頼りすぎないほうがいいでしょう。
 腰痛で大事なことの一つに、温めるか、冷やすかがあります。一般的には「温める派」が多いですが、アンドルー・ワイル博士は、急性腰痛は冷やすべきで、初期には温めると痛みが悪化することが多いと述べています。
 慢性化したら温めるのが良いようですが、ぬるいお風呂にゆっくり入り、温湿布ならショウガを使うと効果的です。
 慢性腰痛は脳の状況と深くかかわっているという報告もあります。緊張やストレスが多いと腰痛になりやすい、楽しい生活や愛情次第で腰痛は消えることもあるというのです。
 ある医師は「恋愛と腰痛は両立しない」とまで言っています。面白いですね。といってすぐ試してみるわけにはいきませんけれども。


◆体を温める根菜類

 さて「食と医」ですから腰痛と食についてみてみましょう。腰痛に即効のある食というのはなかなか難しいですが...。
 昔から言われているのは、中から体を温めること。ゴボウ、ニンジン、玉ネギ、大根、山芋など根菜類はその点でも好ましい食べ物です。
 ヨモギ、ショウガ、クルミ、ソバ、ゴマなども薬膳的に使われます。肉食やインスタント食品偏重を避け、血流を良くし、器官の老化を防ぐことが肝心です。
 腰は文字どおり体の要で、足腰の筋肉が衰えることも腰痛と深くかかわっています。腰痛になる前もなってからも、一歩でも多く歩き、スクワット(ひざの屈伸運動)をして足腰を鍛えるようにする、そして足腰を温めて下半身の血流を良くすること。腰痛には運動することがとても大切です。

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