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流通:激変する食品スーパー

【第10回】「冷凍食品とフリーズドライ食品」2015年12月25日

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食品売場を大きく変える可能性が

 食品スーパーは鮮度を重視した商品ばかりでなく、長期保存が可能な商品まで幅広く扱う。近年新規出店の際に、冷凍食品の陳列スペースを拡大するスーパーが増えつつある。家庭用冷蔵庫の大型化・機能強化が進んだことに加え、使い勝手の良さも手伝い、安定した需要があるからだ。また、冷凍食品はこれまで加工食品(グロサリー)部門での取り扱いが中心であったが、青果売場内に冷凍野菜や果物を販売する店舗が現れ始めている。

◆青果売場で売られる冷凍食品

 図1(独)農畜産業振興機構が行った「平成26年度冷凍野菜小売販売動向調査」によると、冷凍野菜の市場規模は3400億円程度と推計される(加工用原料含む)。平成23年3月の東日本大震災により冷凍食品の需要が増加したが、最近は横ばい傾向にある(図1)。
 この要因には、農薬混入事件や、半ば常態化していた冷凍食品の「半額セール」の見直しが消費者庁による販売価格表示指導により進んだことなどが含まれ、外的な影響が少なくない。そのため、需要そのものが減少しているわけではなく、むしろ成長する分野の一つと言える。
 今月5日にオープンしたライフセントラルスクエア押上駅前店でも、青果売場内に冷凍のリーチインケースを設置し冷凍野菜と果物を販売している。国産にこだわった野菜を15SKUほど展開するほか、果物は、ヨーグルトやグラノーラ、デザートに利用できる原体だけでなく、スムージーに利用しやすいバータイプなどバラエティのある品揃えで、こちらも約15SKUを取り揃えていた。
 ライフでは冷凍野菜と果物を「冷凍食品」として扱うよりも、「青果物」としてグループ化することで購買機会の拡大につなげようと、1年以上前から実験的に青果売場内での冷凍食品の扱いを進めていた。これまでの販売傾向や反応を確かめた上で、最新店での本格的な導入を決断した。
 今後は、他社も追随し、青果売場内で保存性の高い商品として冷凍品の取り扱いが進むのではないかと筆者はみる。事実、アメリカではそのような動きが加速している。冷凍野菜だけでも、オーガニック商品やグリルといった用途調理品、健康志向に対応した「ミートレスミール」として野菜だけで済ませるワンプレート商品など、質だけでなく家庭での調理負担を軽減する高付加価値商品の充実に力を入れるスーパーも多い。これらは日本の買物ニーズともマッチするものであり、新たなビジネスチャンスの可能性を秘めている。


◆コンビニでも定番化されるFD

図2 同様に、フリーズドライ食品にも注目が集まっている。フリーズドライとは、真空凍結乾燥法(FD製法)をいい、様々な食品での加工が可能である。市場規模は1000億円程度とされ、日本凍結乾燥食品工業会によると野菜類の生産量は平成26年度約1400トンで、平成25年度よりも減少したものの、平成24年度より26.6%増加している(図2)。
 近年の小売店でもフリーズドライ食品を目にする機会が増えた。例えば、セブン‐イレブンでは、エンドにコーナーを作って、定番化しているほか、カルディコーヒーファームなど女性に人気のグロサリーショップでも豊富に品揃えが充実されている。
 フリーズドライ食品メーカーの「アマノ」は東京駅前の商業施設にアンテナショップを構え、新たな需要獲得に向けた情報発信や実験的な取り組みを行っている。もちろん食品スーパーでも、その傾向は顕著だ。冷凍食品同様、加工商品売場に陳列するケースが多いが、一部店舗では青果部門での関連販売や産直青果売場に生産者が作ったフリーズドライ食品を併売しているものがある。


◆原料に国産農産物を

 現時点では、冷凍食品、フリーズドライ食品とも、生鮮青果の代替品として見る向きが多いだろう。しかし、本格的にTPPが始動し、国産の生鮮青果が手に入りにくい時代が到来したら、状況は一変する。
 事実、食品スーパー経営者の多くが、国産の生鮮青果の流通に対して強い危機感を抱いている。輸入生鮮青果よりも国産の冷凍食品、フリーズドライ食品を購入すると考える消費者が増えるのは間違いない。そうなれば、食品スーパーの青果売場も大きく変化するだろう。今のところ、冷凍食品、フリーズドライ食品共に、使用している原料野菜の殆どは輸入で対応しているが、先ほど紹介した「アマノ」では、原料野菜の国産比率は70%であるし、ライフでも青果売場の冷凍野菜はすべて国産である。もちろん、フリーズドライ食品、冷凍食品とも装置産業であり、一生産者や組合が対応できるものではない。メーカーや商社などとの連携が不可欠になってくる。
 連携への課題は、カット野菜でも触れたが、規模が小さく、ロットがまとまりにくい点にある。生鮮青果の余り物活用という発想ではなく、計画的かつ安定的に物量を確保しなければならない。生鮮青果としての販売量は少なっていくかもしれないが、原材料としての活用は広がる可能性が強い。
 加工度を高め、販売期限を延長できれば、資源としての有効活用が図れるだけでなく、収益性にも貢献する余地がある。

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