漢方産業化で神奈川・奈良・石川3県が連携2013年12月20日
一般社団法人漢方産業化推進研究会を設立
薬草栽培から製品化や周辺医療機器・システムの開発、海外展開まで、漢方の産業化をテーマに、自治体と民間企業が連携して、来春に「一般社団法人 漢方産業化推進研究会」(仮称)を設立すると、発起人の神奈川・富山・奈良の3県知事らが記者会見した。
記者会見には、この研究会の発起人である黒岩祐治神奈川県知事、石井隆一富山県知事、荒井正吾奈良県知事と渡辺賢治慶應義塾大学教授が出席した。
この研究会は、?病気になってから受診するのではなく病気になる前に健康に戻していく「未病」の考え方が今後のヘルスケア・システムを考えるうえで重要である、?最先端医療と漢方の「未病を治す」というアプローチを合わせた「東西医療の融合」は日本でこそ実現可能な「いのちに向き合う医療」であり世界をリードできるシステムである、という基本的な考え方にもとづいて設立される。
さらに、日本は漢方薬の原材料となる生薬の80%以上を中国に依存しており、安定的な国内供給体制を築くことが課題とされている。耕作放棄地や中山間地など農業の衰退が問題となっている地域で、新たな高付加価値をもつ作物として薬草を栽培することができれば、そうした地域の活性化に有効だという期待もある。
こうしたことを背景に、研究会は神奈川・富山・奈良という先進的な取り組みをしている3県と食品、製薬会社だけではなく、三菱商事、JR東日本、富士通、パソナなどの民間企業約20社が現在参加している。
漢方の市場規模は現在、医薬品が1400億円、健康食品が2兆6000億円だ。富山の薬売りで知られる漢方先進県富山の昨年の医薬品生産額は6000億円でうち漢方は153億円だ。
研究会は、薬草栽培から製品化、周辺医療機器・システム開発、さらには海外展開をも見据えた漢方の産業化を促進することで「漢方10兆円産業の創生」を実現したいと考えている。
この過程で、耕作放棄地や中山間地での薬草栽培が拡がれば農業側としても薬草が魅力的な作物となるのではないだろうか。
(写真)
記者会見より。(左から)渡辺教授、黒岩神奈川県知事、荒井奈良県知事、石井富山県知事
(関連記事)
・薬草栽培のロードマップを描く第一歩に(2013.07.31)
・このままでは日本の医療が危ない 渡辺賢治 慶應義塾大学医学部漢方医学センター副センター長、診療部長、准教授―加藤一郎 ジュリス・キャタリスト代表(2012.09.19)
・【対談】21世紀は植物の時代 古在豊樹 NPO植物工場研究会理事長(前千葉大学学長)・加藤一郎 ジュリス・キャタリスト代表(2012.05.31)
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