測定時間わずか3分 土壌中の放射線分布測定装置開発 農研機構2015年10月13日
農研機構は10月8日、土壌中の深さ別放射能分布を現地において短時間で測定できる装置を公表した。
土壌中の汚染の深さを把握することにより、除染範囲の特定と除染対策を効率的に実施することが可能となる。しかし汚染の状況を把握するには、放射性物質の平面的分布や深さ別の分布が必要で、従来の測定では、土壌サンプルを実験室に持ち帰る必要があり、時間がかかっていた。
今回、農研機構が福島県土地改良事業団体連合会と応用地質(株)と共同で開発した装置は、土壌にセンサー部を挿入することで、深さ別の放射線を短時間で、例えば表層5cmの放射性セシウム濃度が8000Bq/kgの土壌であれば3分以内で、測定できるというもの。長さ50cmのセンサー部に複数のガンマ線検出器を搭載することで、挿入した土壌中の放射線を2.5cmきざみで深さ別に測定することを可能にした。
またセンサーを挿入できる対象であれば土壌以外でも測定が可能。センサー部は完全防水のため、貯水池での測定などもできる。
同装置は応用地質(株)から販売されている。
(写真:農研機構提供)開発した測定装置と外観、解析のイメージ図
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