ラッカセイ栽培種のゲノム配列解読に成功 品種改良の加速化に期待2019年5月14日
かずさDNA研究所は、米ジョージア大学など8か国25大学・研究機関との共同研究で、ラッカセイ栽培種のゲノム配列を解読した。品種改良の加速化が期待される。
ラッカセイの栽培種は、2つの異なるゲノムを持つ異質四倍体。それぞれのゲノムを持つ二倍体祖先種のゲノム配列は、2016年に解読が完了しているが、栽培種自体のゲノム解読は行われていなかった。その理由は、現在DNA配列の解析に多用されている次世代(第2世代)シークエンサーでは、一度に読み取れるDNAの長さが数百塩基と短いため、異質四倍体のような複雑なゲノムの解読には向いていないからだ。
こうしたなか同研究所では、近年実用化された第3世代シークエンサーや細胞核内のゲノムの立体構造に着目した新しい分析法などの新しい技術により、異質四倍体であるラッカセイ栽培種の複雑なゲノムを解読することに成功。日本の品種(千葉半立、ナカテユタカ、YI-0311、郷の香、 金時)の配列データを提供した。
この成果により、日本を含む世界各地のラッカセイ品種の解析により、ラッカセイ栽培種は単一の起源をもつことが示された。今後は、ゲノム情報をもとにした育種が可能になり、新品種の育成が加速される。また、本研究で見出されたゲノム進化の考え方に基づき、高次倍数性という現象が栽培化作物に多く見られる理由についての理解が深まると期待される。
研究成果は、国際科学雑誌「Nature Genetics」に5月1日付でオンライン公開されている。
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