世界初 コムギとイネの雑種植物の作出に成功 東京都立大学2021年10月7日
東京都立大学大学院理学研究科の大学院生Tety Maryenti氏、岡本龍史教授と鳥取大学乾燥地研究センターの石井孝佳講師は、コムギ−イネ間の交雑不全を乗り越え、世界で初めてコムギとイネの交雑植物の作出に成功した。
世界の主要作物でコムギとイネは、異なる亜科に属していることから交雑できず、優良遺伝資源を相互に利用することはできなかった。今回の研究では、顕微授精(IVF)法を用いることによって、コムギとイネの生殖的隔離を打破することが可能になった。IVF法により、コムギとイネの花から単離した配偶子(卵細胞と精細胞)を様々な組み合わせで融合させ、多様なコムギ−イネ交雑受精卵を作出。それらの発生過程を解析することで、コムギ−イネ雑種植物へと生育するコムギ−イネ異質倍数性交雑受精卵の人工的な作出に成功した(図1)。
同研究で確立された異種配偶子の顕微受精 (IVF)法により、これまで不可能だったコムギとイネの雑種作成が可能となった。コムギとイネの遺伝資源の相互利用により、新たな優良形質をもつ新作物の作出に繋がることが期待される。また、IVF法は配偶子の単離が可能な植物種に適応可能であることから、コムギとイネだけに留まらず、トウモロコシ、オオムギ、サトウキビなどの多くの有用植物間の遠縁雑種植物の作出も視野に入る。さらに、コムギ−イネ雑種受精卵の発生過程を解析することで、遠縁雑種植物の成立機構についての知見が得られることが考えられる。
作出されたイネ‐コムギ交雑植物
重要な記事
最新の記事
-
どこまで理解しているのか小泉大臣【小松泰信・地方の眼力】2025年6月25日
-
フードバンク、子ども食堂への備蓄米無償交付を追加 農水省2025年6月25日
-
【人事異動】農水省(6月23日付、24日付、25日付)2025年6月25日
-
ブラジル向け精米 検疫条件が緩和 農水省2025年6月25日
-
【JA人事】JA福山市(広島県)占部浩道組合長を再任(6月24日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAとうと(岐阜県)古川敏之組合長を再任(6月20日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAいずみの(大阪府)谷口敏信組合長を再任(6月25日)2025年6月25日
-
【JA人事】JA松任(石川県)得田恵裕組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAハリマ(兵庫県)柴原利春組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
エンゲージメント向上へ若手職員がプロジェクト 「目安箱」設置も JAさいたま2025年6月25日
-
土壌診断研修会(基礎編)を開催 JA全農みえ2025年6月25日
-
みえの米ブランド化推進会議総会を開催 高温耐性「結びの神」拡大へ JA全農みえ2025年6月25日
-
「2025愛媛みかん大使」募集中 JA全農えひめ2025年6月25日
-
第53回通常総代会を開催 JA鶴岡2025年6月25日
-
青森県産 稀少な大玉さくらんぼ「ジュノハート」を数量限定販売 JAタウン2025年6月25日
-
【農と杜の独り言】第1回 国際園芸博覧会とは 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年6月25日
-
アズキの遺伝子の知見を利用 ダイズのさやの弾け難さを強化 農研機構2025年6月25日
-
「水稲移植栽培における除草剤体系処理によるナガエツルノゲイトウ防除技術」SOP公開 農研機構2025年6月25日
-
"カメムシ急増"に天然成分100%の「モスガード スプレー」 第三者機関の試験で一定の効果 たかくら新産業2025年6月25日
-
近赤外分光とAI活用の次世代土壌分析サービスを開始 片倉コープアグリ2025年6月25日