垂直農法市場 2026年に198億6000万米ドル規模到達見込み2022年3月7日
グローバルインフォメーションは3月2日、市場調査レポート「垂直農法の世界市場 (2020-2026年):メカニズム・製品・国別」(BIS Research Inc.)の販売を開始した。
垂直農法は、垂直方向に傾斜した面で様々な野菜や果物を生産する農法。従来の畑や温室での野菜や果物の栽培とは異なり、輸送用コンテナや再利用された倉庫、超高層ビルなどの構造物を利用して、垂直方向に何層にも積み重ねて生産する。
垂直農法は、ビッグデータ分析、ロボット工学、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)などの多くの技術を統合した作物生産システムでもあり、農学的な制約を受けずに作物が順調に育つ。作物を常に観察し、農場内の温度、湿度、照明、空気循環を維持するため、いくつかの技術が必要となる。垂直農法で利用される高度な技術は、作物の生産、収穫スケジュール、品質管理や、農場の適応力を高め、新たな、あるいは予期せぬ危険を回避するのにも役立つ。
世界の垂直農法市場の概要
世界の垂直農法市場は、2020年には55億米ドル規模に達した。2021年から2026年の間に市場は24.3%の年平均成長率(CAGR)で成長し、2026年には198億6000万米ドル規模に達すると予測されている。市場の成長は、農村部から都市部への人口移動や、耕地面積の減少などの影響を強く受けており、これ以外にも、従来の農業に比べて優れていることや、発光ダイオード(LED)技術の進歩、高品質・高レベルの食品安全性の保証などの要因も市場を牽引している。
市場区分:メカニズム別
垂直農法は、水耕栽培、エアロポニックス、アクアポニックスなど、さまざまなメカニズムで行われる。水耕栽培は水の中で植物を育て、エアロポニックスは空気中に植物を浮遊させて育て、アクアポニックスは、水耕栽培と魚の養殖を統合した優れたシステム。植物を育てるために水と魚の両方を必要とする。
世界の垂直農法市場では、水耕栽培分野が最大の規模を誇る。水耕栽培の農場は、植物の成長を最適化し、地元の新鮮な食材を提供し、水、スペース、輸送、農薬の使用を最小限に抑えることができる。また、水耕栽培は、温室内で自然光を利用して行うことができるが、スペースを節約するためにLEDライトを使用するのが一般的。このように水耕栽培には様々な利点があるため、世界中でその需要が高まっている。
市場区分:製品別
垂直農法に使われる製品(コンポーネント)は、照明装置、水耕栽培コンポーネント、気候制御装置、センシング装置など多岐にわたり、照明器具の需要は、先進国と発展途上国の両方でプラスの成長を遂げると考えられる。こうした成長は、主に、若い植物の繁殖、より健康的な作物の栽培、無農薬の作物など、照明器具の利点による。また、垂直農法用照明を使用して複数の層の作物を照らすことで、より少ない設置面積で高い収穫量を得られ、作物の生産量を増やすことができる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(165)食料・農業・農村基本計画(7)世界の食料供給の不安定化2025年10月25日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(82) 4-キノリル酢酸【防除学習帖】第321回2025年10月25日 -
農薬の正しい使い方(55)防除の要は第一次伝染時【今さら聞けない営農情報】第321回2025年10月25日 -
オリーブと広島【イタリア通信】2025年10月25日 -
【特殊報】果樹全般にチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で発生と加害を初めて確認 広島県2025年10月24日 -
東京と大阪で「業務用米セミナー&交流会」 グレイン・エス・ピー2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(1)2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(2)2025年10月24日 -
【人事異動】農水省(10月21日付)2025年10月24日 -
生産者の米穀在庫量257kg 前年同月比17.4%減 農水省2025年10月24日 -
(458)農業AIは誰の記憶を使用しているか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月24日 -
甘みたっぷりブランド温州みかん 福岡県産「北原早生フェア」25日から開催 JA全農2025年10月24日 -
11月23日は『ねぎ』らいの日「小ねぎフェア」27日から開催 JA全農2025年10月24日 -
関西電力発行のトランジション・ボンドに投資 温室効果ガス削減を支援 JA共済連2025年10月24日 -
滋賀県産近江米「みずかがみ」など約50商品を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年10月24日 -
寒さの中に咲く、あたたかな彩り「埼玉県加須市産シクラメン」販売開始 JAタウン2025年10月24日 -
JAタウン「あつめて、兵庫。」×「お肉の宅配 肉市場」コラボ特別セット販売2025年10月24日 -
【農と杜の独り言】第5回 水田のある博覧会 食料安保考える機会に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年10月24日 -
ありあけ「横濱ハーバーダブルマロン」で「ミャクミャク」「トゥンクトゥンク」 のコラボ商品発売 国際園芸博覧会協会2025年10月24日 -
鳥インフル スウェーデンからの生きた家きん、家きん肉等 輸入一時停止 農水省2025年10月24日


































