【特殊報】かんしょにサツマイモ基腐病 府内で初めて発生を確認 大阪府2022年10月27日
大阪府病害虫防除グループは、かんしょ(さつまいも)にサツマイモ基腐病の発生を府内で初めて確認。これを受けて、10月27日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
葉の変色(写真提供:大阪府病害虫防除グループ)
9月に、大阪府北部地域のかんしょ(さつまいも)栽培ほ場で、葉の変色、萎凋、枯死が生じ、地際部の茎が黒変している株が確認された。大阪府立環境農林水産総合研究所および神戸植物防疫所において、分離した病原菌の形態の確認とPCR法による検定を行った結果、サツマイモ基腐病であることが確認された。
同病害は2018年、沖縄県で日本国内で発生が初めて確認された。9月現在では、27都道県で発生が確認されており、大阪府の近隣では兵庫県、徳島県で特殊報が発表されている。大阪府において、同病害が確認されたのは今回が初めて。
同病の特徴としては、葉が舟形に巻くとともに株が萎縮。また、黄、赤紫色などに葉が変色する。生育不良株では地際の茎が黒~褐色に変色し、病変部に微少な黒粒(柄子殻図が形成され、発生が甚だしいと地上部が枯死する。株元からイモへ病徴が進展するため、イモはなり首側から腐敗する。見た目が健全なイモでも、貯蔵中や輸送中に発病することがある。
寄主作物はヒルガオ科のみで、その中でもかんしょ(さつまいも)が主な寄主作物であることから、病原菌が感染した塊根(種イモ)や感染苗で伝搬する。また、ほ場に残った被害残渣で越冬し翌年の一次伝染源となる。また、風雨や停滞水によって感染が広がるため、畝および畝間に沿って発生が拡大する。
地際部の黒変(写真提供:大阪府病害虫防除グループ)
同グループでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)栽培終了後~ほ場準備
①病原菌は被害残渣で越冬することから、被害残渣はほ場外に持ち出し処分する。持ち出しできない場合は、収穫後速やかにすき込み、分解を促進する。その際、残渣は細断してすきこんだほうが次作の基腐病の発生を軽減できる。
②同病は排水不良な場所でまん延しやすいため、ほ場の排水対策を行う。
③発病が見られたほ場では、植付前に必ず土壌消毒を実施する。
(2)採苗後~植付前
①栽培に使用する苗は、未発病ほ場で生産された苗を導入する。また、未消毒の苗を使用する場合には、使用前に必ず登録農薬を使用して苗の浸漬処理を行う。
(3)本ぽ
①ほ場をよく見回り、発病株はほ場外に持ち出し適切に処分する。
②発病株を除去した後は周辺の株に同病に登録のある農薬を散布し感染の拡大を防ぐ。また、台風などの降雨後には感染拡大の恐れがあるため、降雨前に農薬の全面散布を行なう。
(4)年間を通じて
①発病が見られたほ場で使用した資材や機械、長靴を別ほ場で使用する場合、十分に消毒や洗浄を行う。
(5)多発ほ場
①かんしょ(さつまいも)の栽培を中止し、他作物の栽培を行う。
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