ウェブで使える作物家系図の作成ツール「PedigreeFinder」開発 農研機構2023年1月27日
農研機構と情報・システム研究機構は、作物の家系図を利用者が自由に作成できるデータベース「PedigreeFinder」を開発。作物種・世代数などの情報を入力することで、品種・系統の類縁関係とそれらが示す作物特性を関連づけて表示できる。また、複数の作物種において同一の方法で簡便に利用できることから、生産者や消費者が品種の特性を理解するツールとするなど、家系情報活用ツールとしての幅広い利用が期待される。
作物家系図の特徴
作物は、世界的な食料需要量の増加と、食料安全保障対策の強化および激しさを増す気候変動などに対応するため、常に新たな品種等の育成が求められている。新品種育成の場面では、既存の品種・系統を交配することで多様な系統(品種の候補)を作出した上で、各系統の形質を適切に評価し、次世代の品種となる優秀な系統の選抜という一連の作業を加速化・効率化する必要がある。
しかし、家系情報や形質情報、遺伝子情報等を含む育種に有用な諸情報は研究機関や作物ごとに散在。また、これらの育種情報のデータ形式も一律ではないことから、特に、最初に交配する既存品種等の選定段階において、最適な組合せを迅速に判断することが難しかった。
そこで、農研機構と情報・システム研究機構は、誰もが作物の家系情報を簡単に活用することを可能にするデータベース「PedigreeFinder」を開発。イネ、イチゴなど様々な作物の家系情報をウェブ上で一元管理できる。また、家系情報と品種等の特性を視覚的に一覧できるデータベースとして提供。これにより、閲覧者ごとのデータの利用権限の範囲内で、作物横断的に整備された家系情報と品種等の特性に関する情報を、目的に従って自在に利用できる。
「PedigreeFinder」は、育種者が近縁関係を考慮した交配親を選定する場面に限らず、研究者が分子育種学的な観点から親から子へと受け継がれる「遺伝的因子」を解明する場面、生産者が品種等の特性を考慮した栽培品種を選択する場面などにも利活用できる。同データベースは試験運用を終え、種の作物(イネ、イチゴ、小麦、サツマイモ、小豆)で国内向けに本格運用を開始した。
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