【特殊報】スモモにスモモミハバチ 県内で初めて確認 福岡県2023年7月4日
福岡県病害虫防除所は、スモモにスモモミハバチ発生を県内で初めて確認。これを受けて、6月30日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
幼虫が食入した果実(断面)(写真提供:福岡県病害虫防除所)
2021年6月に県北部のスモモ生産地において果実に微小な穴が開き、内部を食害している幼虫が確認された。このため翌年晩冬から発生ほ場を調査し、今年3月中旬に微小なハチ類の成虫を採取。これを門司植物防疫所に同定依頼した結果、スモモミハバチと同定された。国内では、山口県、広島県、大分県で発生が確認されている。
微小な侵入孔のある果実(写真提供:福岡県病害虫防除所)
成虫の体長は5~6ミリで体色は黒色、翅は暗色。雌では触角と脚が暗褐色~黒色だが、雄では黄褐色。年1化性で、スモモの開花初期に地中から羽化し、花器の萼(がく)に産卵する。ふ化幼虫は果実に食入し、微小な侵入痕を残す。食入された果実の多くは肥大が遅れ、後に落果する。落果が目立つのは4~5月。幼虫は5月上中旬に果実を脱出し、土中で土繭を作って蛹化し、春を待つ。
寄生により多くの果実が小さいまま肥大せず、そのほとんどが6月上旬までに落果。このため春先に開花量が十分なほ場でも収量が年々減少していく。開花時期に防除が行われない場合、被害は年々拡大し、最終的には収穫皆無となる。
3齢幼虫の顕微鏡像(体長3~4mm)(写真提供:福岡県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇スモモの開花終了後、直ちにスモモミハバチに登録のある薬剤で防除を行う。
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