水稲苗を縦横2方向で機械除草を可能に 植付位置制御機構を開発 農研機構2023年11月16日
農研機構は、水稲苗を縦横2方向とも揃えて植える両正条植えが可能な植付位置制御機構を開発した。両正条植えをすることで縦横2方向の機械除草が可能となり、これまで除草率が低かった株間でも除草効率が向上する。植付位置制御機構を搭載した田植機の活用により、除草の手間が壁となっていた水稲作での有機栽培の取組面積拡大につながると期待される。
電動植付部を用いた植付位置制御機構
持続可能な農業を目指す「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積を25100万ヘクタールに拡大する目標を設定。一方、現状の有機農業の取組面積は2021年度は0.6%(26万6000ha)だったことから、目標達成には栽培面積の大きい水稲作での取組が不可欠となる。
水稲の有機栽培では「除草作業」に手間がかかるため、栽培面積の規模拡大を阻む要因となっている。これまで農研機構では、水稲作での除草作業の効率化を図るため高能率水田用除草機を開発したが、この機械では条間の除草は高能率にできても、株間は条間に比べて除草率が上がらないという課題があった。
植付位置制御機構を用いた両正条植えの概念図
そこで、水稲苗を田植機作業方向(縦方向)だけでなく、その直交方向横方向の位置も列状になるように揃えて碁盤の目状に苗を植える両正条植えができる植付位置制御機構を開発。市販の乗用型田植機に組み込んだプロトタイプ機を製作した。これにより、水田用除草機を縦横2方向に走らせる直交除草が可能となり、機械除草の効果向上につながる。
従来は難しかった大区画水田での有機栽培の実践を可能とするなど取組面積の拡大が期待される。今後は、実証試験でデータを蓄積し、早期実用化を目指す。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ウメにクビアカツヤカミキリによる被害 県内で初めて確認 三重県2025年6月27日
-
【サステナ防除のすすめ2025】連作障害"待った" 野菜の土壌消毒編(1)2025年6月27日
-
【サステナ防除のすすめ2025】連作障害"待った" 野菜の土壌消毒編(2)2025年6月27日
-
大人の食育を推進 官民連携食育プラットフォームが設立総会 農水省2025年6月27日
-
全農 備蓄米 出荷済み20万t超える 進度率7割2025年6月27日
-
食品ロス 国民1人当たり37kg 3万1800円損失 2023年度2025年6月27日
-
5月の米の家庭内消費、前年同月比で減少幅拡大 米価高騰が消費冷ます 米穀機構2025年6月27日
-
(441)「とんかつ」はなぜ各国で愛されているのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月27日
-
【JA人事】JA松山市(愛媛県)阿部和孝組合長を再任(6月20日)2025年6月27日
-
【JA人事】JAめぐみの(岐阜県) 新組合長に渡邉健彦氏2025年6月27日
-
【JA人事】JA木曽(長野県)新組合長に亀子宗樹氏(5月29日)2025年6月27日
-
【JA人事】JAおちいまばり(愛媛県)渡部浩忠理事長を再任(6月25日)2025年6月27日
-
【JA人事】JA仙台(宮城県)藤澤和明組合長を再任2025年6月27日
-
果樹王国和歌山から旬を届ける「みのりみのるマルシェ」東京・大阪で開催 JA全農2025年6月27日
-
伊藤園と共同開発「ニッポンエール 栃木県産にっこり梨SODA」新発売 JA全農2025年6月27日
-
【役員人事】農協観光(7月1日付)2025年6月27日
-
【生乳需給で中酪要請】酪農9700戸割れ 家族経営支援に重点、離農高止まりに危機感2025年6月27日
-
【役員人事】全国農協保証センター(6月26日付)2025年6月27日
-
適用拡大情報 殺虫剤「プレバソンフロアブル5」FMC2025年6月27日
-
【役員人事】日本協同組合連携機構(6月26日付)2025年6月27日