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不耕起栽培で6000ha バイテク理解広め世界の食料増産を カナダの家族農業者に聞く2023年12月20日

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農業者自身がバイオテクノロジーなど先端技術の有用性を議論し、海外の農家とともに社会へ発信、持続可能な食料生産を実現しようと今年4月に発足した日本バイオ作物ネットワーク(JBCN)は、12月13日に東京都内で海外の農業者を招いたイベントを開いた。その場でプレゼンテーションしたカナダの農家、Cherilyn(シェリリン) Jolly-Nagelさんは6000haの農地で麦や油糧種子などを栽培する。遺伝子組み換え作物も栽培するシェリリンさんは消費者に丁寧に説明し信頼を得てきたと語る。

カナダから来日したシェリリンさんと長女のクレアさん(左)、アディソンさん(右)カナダから来日したシェリリンさんと長女のクレアさん(左)、アディソンさん(右)

今回のイベント「JCBN東京カンファレンス23」は、より効率的で高い持続可能性を持った農業を日本でも実現しようと海外から農家を招き、その実践を聞いた。

シェリリンさんは夫と2人の娘とともにサスカチュワン州南部でひよこ豆、レンズ豆と小麦、大麦、GМキャノーラを栽培している。

シェリリンさん夫婦は、ともに120年続いた農家で育った4代目。シェリリンさんの父は1980年代末に地域でいち早く不耕起栽培に切り替えたという。

1997年には1000haだったが徐々に面積を拡大し今年は6000ha。豆類、麦類、油量種子それぞれ2000ha程度の割合だという。

20m幅の収穫機や長さ35mのブームスプレーヤーなど大型機械を利用し、春の播種期は家族のほかに人を雇って10人ほどで24時間シフトで作業、収穫期は家族も含めて12人ほどで作業する。

彼らは夏には6000haの畑を車で巡回、バッタなど害虫予防や雑草対策が必要な畑には防除を行うという。
シェリリンさんの父親が始めた不耕起栽培は周囲に広がり、夫のデビットさんの家でも切り替え、今ではサスカチュワン州の90%が不耕起栽培だという。

大事なのは自分たちの農業を見てもらうこと

――不耕起栽培はどのように広がったのですか。

昔は深く耕し藁などをすき込んでいましたが、農地がからからに乾いて表土が風で飛び土が痩せていきました。私の父は農業を持続するには新しい技術に適応することが必要だとの考えを持っており、いち早く不耕起栽培に変えました。

土壌水分を保持し、有機物が作られて、農家にとっていちばんの財産である土がいい状態になります。新しい機械を入れなくても、同じ種で不耕起栽培のほうが収量が上がります。農家にとっては収益も増えるわけですから、もう元のやり方にはみな戻りません。

それから父が始めたときは誰も話題にしていませんでしたが、不耕起だと土中にCO2を固定することになり、CO2削減の問題も解決します。

こうした取り組みは政府は発信しませんから、私たち農業者が発信していくべきだし、これが明るい未来につながると思っています。

――キャノーラは遺伝子組み換え品種を栽培しているとのことですが、そのきっかけは?

キャノーラはカナダの研究者が開発した作物で44%が油となり、残りは家畜の飼料になるというムダのない作物です。

GМキャノーラは1995年に開発され私たちは収量増加を期待して2002年から栽培しています。ただ、最初の年は種子の播き方が分からず大失敗してしまいましたが、今では収量も増加しました。

GМキャノーラについては消費者の信用も得ています。

――どのように信頼を得たのですか。

バイオテクノロジーには怖さもあり理解されにくい面もあります。いくら研究機関が安全だといってもインターネットなどで否定的な情報が出る。そこを乗り越えなくてはなりませんが、私は家族で営んでいる農業について正直に語り、丁寧に説明することが大事だと思っています。それによって信用を得ることができたと考えています。

私は女性で母であり妻であり、家族に安心で安全な食事を食べさせる役割もあります。それも説得力があると思います。

カナダでも日本と同じように農業者は減っています。それでも私の2人の17歳と15歳の娘は農業をやりたといという情熱を持っています。どんな技術であっても次の世代がやりたがらないことはできません。この子たちが農業を引き継ぎたいと言っていることが安全であるという証拠ではないでしょうか。

――他の品目でも遺伝子組み換え作物を栽培する考えはありますか。

GМ小麦は開発されていますが、カナダでも消費者の反対で栽培はできません。GМは古い技術となり、今後はゲノム編集が重要になると思います。その土地の条件に合った作物も開発されるのではないかと思っています。

カナダでも都市化が進み、農地には太陽光や風力発電の施設が建ち農地が狭まっています。一方で世界の人口は増加しており、土壌の改良と新しいテクノロジーでより多く食料を生産できるようにしていかなければならないと思います。

――日本の農業者に伝えたいことは?

農家は政府に声を届けることが大事です。同時に消費者にも届けることです。農家にとって怖いのは天候ではなく、政府です。政府が悪い判断をすれば農家は潰れてしまう。世界の農家が集まって経験や情報をシェアしよりよい作物が生産できるよう外に発信していくことが大事だと思います。

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