【注意報】ミニトマト、トマトにトマト黄化葉巻病 県中部で多発のおそれ 和歌山県2024年8月9日
和歌山県農作物病害虫防除所は、ミニトマト、トマトにトマト黄化葉巻病が県中部で多発のおそれがあるとして、8月9日に令和6年度病害虫発生予察注意報第6号を発表した。
和歌山県農作物病害虫防除所によると、県中部の露地栽培ミニトマトにおける7月下旬のトマト黄化葉巻病の発生ほ場率は100%(平年41%)、発病株率は69.6%(平年6.4%)だった(表1)。また、露地栽培の発生ほ場では発病株を抜き取り処分していない場合が多いため、媒介虫であるタバココナジラミのトマト黄化葉巻ウイルス保毒虫率が高まっていると考えられる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
■露地栽培・施設栽培共通
(1)定植前に苗をよく観察し、新葉の退緑がみられる苗やタバココナジラミが発生している苗を本ぽに持ち込ないよう注意する。
(2)発病株は伝染源となるため見つけ次第抜き取り、直ちに土中に埋めるか、ビニル袋に密封して完全に枯死させてから処分する。
(3)野良生えトマトは伝染源となりやすいため見つけ次第処分する。また、芽かきした茎葉や裂果等の不良果は野良生えトマトの原因となるため、ほ場周辺に野積みせず速やかに処分する。
(4)タバココナジラミは寄主範囲が極めて広く、雑草にも生息するため、ほ場内およびほ場周辺の除草を徹底する。
(5)防除薬剤については、最新の登録情報(農林水産省農薬登録情報提供システムを参照し、適正に使用する。
(6)薬剤散布にあたっては、和歌山県農業試験場ニュース第142号「タバココナジラミバイオタイプQに有効な薬剤」も参考にする。
■露地栽培
新たな感染を防ぐため、タバココナジラミの発生を確認した場合は、本虫に有効な薬剤を散布する。
■施設栽培
(1)施設開口部に目合い0.4mm以下の防虫ネットを展張し、媒介虫であるタバココナジラミの侵入を防止する。さらに、外張り資材に紫外線除去フィルムを使用すると侵入防止効果が高まる。
(2)生育初期に感染すると被害が大きくなるため、定期的な薬剤散布および定植時の薬剤処理により、育苗期から本ぽ初期(8~10月)のタバココナジラミ防除を徹底する。
(3)栽培終了後にはすべての株を抜根した上で、7~10日間以上施設を密閉してタバココナジラミを死滅させ、施設外へのタバココナジラミの分散を防止する。
表1:トマト黄化葉巻病発生 状況 (県中部 、調査時期:7月)
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