【注意報】うり科、なす科果菜類にコナジラミ類 府内全域で多発のおそれ 大阪府2024年8月30日
大阪府環境農林水産部は、うり科果菜類(きゅうり)、なす科果菜類(トマト、なす)などにコナジラミ類が府内全域で多発のおそれがあるとして、8月29日に令和6年度病害虫発生予察注意報第5号を発表した。
大阪府環境農林水産部によると、8月下旬における施設きゅうりの巡回調査の結果、コナジラミ類の発生が平年値を大きく上回った。
大阪管区気象台が8月29日に発表した近畿地方の1か月予報では、向こう1か月の気温は平年より高い確率が80%で今後も多発傾向が続く可能性が高い。
生態として、きゅうり、トマト、なすではタバココナジラミ(写真1、2)とオンシツコナジラミ(写真3、4)が発生。両種とも成虫の体長は1mm程度で翅は白い。幼虫は葉裏に付着しており、体長0.8~1mm程度の小判型。
また、両種の形態は類似しており、肉眼で区別することは難しいが、ルーペを用いて成虫・幼虫の形態を観察することで、どちらの種が発生しているかを把握できる。
成虫および幼虫が作物を吸汁することにより株が衰弱するとともに、排泄物に黒いかび(すす病)が生じる。
また、トマトではタバココナジラミによる果実の着色不良が問題となる。タバココナジラミは、きゅうりでは退緑黄化病、トマトでは黄化葉巻病(写真5)のウイルス病を媒介するため注意が必要。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇防除対策
(1)侵入・産卵防止
・施設栽培では、開口部を0.4mm目合いのネットで被覆する。
(2)薬剤防除
・幼虫は葉裏に寄生しているので、葉裏に十分にかかるように薬剤を散布する。
・薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連用を避ける(系統については別添防除薬剤例、病害虫防除指針などを参照)。
(3)その他防除
・コナジラミ類の増殖を抑えるため、ほ場や周辺の除草に努める。また、ウイルスの感染の有無にかかわらず、摘除した茎葉などの残さは放置せず、ほ場外に持ち出し処分する。
・前述のウイルスに感染した場合、治療方法は無い。感染の拡大を防ぐため、発病株はすぐに抜き取り、ほ場外へ持ち出し処分する。抜き取った発病株やその疑いのある株が、ほ場外などで根付いて新たな伝染源とならないよう注意する。
・黄色の粘着トラップ(商品名:ホリバーなど)を設置・観察することにより、コナジラミ類の初発時期や発生量の多少を把握しやすくなる。
・コナジラミ類に対しては、微生物農薬や天敵農薬、気門封鎖剤が登録されている。これらは化学合成農薬の効果が低下したコナジラミ類に対しても効果が期待でき、薬剤抵抗性が発達する可能性が低いという利点がある。
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