バイオスティミュラント「杉山水」高温ストレス耐性の向上を確認 飛騨産業2026年4月2日
飛騨産業(岐阜県高山市)は、バイオスティミュラント資材「杉山水」に関する岐阜大学との共同研究の結果、特許技術により抽出した「杉山水」の杉枝葉蒸留成分が、植物の抗酸化機能を高めることを確認。「杉山水」を使うことで苗の生育促進や高温ストレス条件下での生育維持、収量の増加傾向が認められた。「杉山水」は猛暑などの環境ストレス下において農作物の健全な生育を支え、収量の安定化につながる新たな高温対策資材としての活用が期待される。

気候変動の影響で夏季の猛暑が深刻化し、苗の活着不良や生育停滞などのリスクが高まるなか、環境ストレスへの対策として、植物自身の能力を引き出すバイオスティミュラント資材への関心が高まっている。
「杉山水」は、飛騨の森で間伐時に生じる未利用の杉枝葉を原料に抽出されたバイオスティミュラント資材。創業100年を超える木工家具メーカーとして、地域産材を活かした家具づくりに取り組む同社が、杉枝葉の蒸留成分が植物の細胞を活性化することを見出したことから誕生した。
「杉山水」は、これまで農業生産の現場で、環境ストレス耐性の向上や成り疲れの軽減などの効果が報告されている。同研究ではその作用メカニズムと植物の生育および高温ストレス耐性への影響を検証した。
<研究結果>
(1)根量が増加し苗の生育が向上
イチゴ苗を用いた生育評価試験において、「杉山水」使用区では対照区と比較して根量が140%増加(100倍希釈の場合)するなど、葉茎および根のいずれにおいても生育の向上が見られた。また、植物は高温などの環境ストレスを受けると有害な活性酸素種(ROS)を蓄積するが、試験では「杉山水」使用区で活性酸素種を除去する抗酸化機能(DPPHラジカル消去活性)の向上が確認された。
[試験条件1~3共通]調査期間:2025年4月-8月/品目:イチゴ(すずあかね)/調査場所:岐阜大学農場(岐阜市柳戸)/施肥:肥効180日(N:P:K=13:9:11)
(2)猛暑でも枯死を抑制
高温ストレス耐性試験においては、「杉山水」使用区では枯死の発生が確認されず、葉の褐変は大幅に低減されました(対照区比で約94%低下)。また、細胞ダメージを抑制する抗酸化酵素(SOD活性)の増加が確認され、高温環境下においても「杉山水」が植物の生育維持に寄与することが認められた。
[試験条件2]12時間日⾧/昼40℃夜30℃/相対湿度60%
(3)ストレス下でも収量が安定
収量評価試験では、「杉山水」の使用による肥料削減の可能性も検証するため、施肥量を半減した条件で栽培。その結果、減肥条件にもかかわらずイチゴ収量の増大が確認された。さらに、使用区では収穫開始が早まり、高温条件下においても栽培後半まで安定した収量が維持。これらの知見から、「杉山水」が肥料使用量の低減と収量安定の両立に寄与する可能性が示された。
[試験条件3]「杉山水」使用区は推奨施肥量を半減(10g/株)/対照区では同じく推奨施肥量半減のCのほか、慣行施肥(20g/株)のC20を設けて比較
以上の結果から、「杉山水」の散布により、猛暑などの環境ストレス下において農作物の健全な生育を支え、収量の安定化に寄与することが確認された。
飛騨産業は研究結果を受け、岐阜大学との共同研究を継続し、「杉山水」の植物生理への作用や環境ストレス耐性について検証を進める。気候変動の進行や国際情勢の不安定化に伴う肥料価格の高騰が懸念されるなか、イチゴや水稲など多様な作物において、持続可能な農業を支える資材として、農業現場への普及を目指す。
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