生鮮トマトの廃棄ロス低減へ 品質不良を防ぐ栽培技術と流通システムを開発・実証2024年12月19日
カゴメ、シブヤ精機、農研機構、AGRI SMILE、京都大学、いわき小名浜菜園は、生鮮トマトの品質不良による廃棄ロス低減を目指してコンソーシアムを形成し、生鮮トマトの品質情報を非破壊で検出するAI選果機の開発と、そのデータを活用した最適な栽培・流通モデルの構築の実証を進めている。
「いわき小名浜菜園」に実装されたAI選果機の外観品質カメラ
このほど、同研究の第一段階として、AI選果機を、コンソーシアムで共同開発し、4月からカゴメブランドの生鮮トマトを栽培する「いわき小名浜菜園」のトマト集荷場に実装。これにより、トマトの選果工程において、果実一つ一つの外部・内部品質を検査し、傷や色みなど20項目のデータを収集することが可能になり、9月時点で20項目、400万点を超えるデータが蓄積されている。
2025年4月からは、研究の次の段階として、AI選果機によって得られたデータを既存の栽培、流通に関するデータと双方向に連携させ、潜在的な品質不良を防ぐ栽培技術と流通システムを構築し、実用に向けて実証。この仕組みの構築により、生鮮トマトの品質不良による廃棄ロスの低減の実現を目指す。
「いわき小名浜菜園」に実装されたAI選果機の内部品質センサー
農産物においては、収穫時には正常品として出荷されたにもかかわらず、その後の流通過程で品質が劣化し、消費者の手元に届く前に廃棄せざるを得ない場合がある。こうした「潜在的な品質不良」は、収穫時に人の眼で判別することは難しく、廃棄ロスにつながっていることが問題となっている。
この潜在的な品質不良による廃棄ロスの課題を解決するため、コンソーシアムを形成し、生鮮トマトにおけるAIを活用した選果システムを開発。トマトの品質に関するデータを収集して、栽培、流通のデータと連携させることで、最適な栽培・流通システムの構築を目指す。
同研究は、「令和5年度 戦略的スマート農業技術の開発・改良事業」に採択されている。
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