アズキの遺伝子の知見を利用 ダイズのさやの弾け難さを強化 農研機構2025年6月25日
農研機構は、ダイズの収穫時に莢さやがはじけて豆が地面に落ちてしまうことによる収穫ロスをさらに減らすため、莢の固い部分が薄くなりはじけにくくなるアズキの遺伝子変異をダイズに応用し、莢(さや)がはじける割合を大幅に減らしたダイズの変異系統の開発に成功した。
畑でダイズの莢がはじけた様子
食料安全保障の観点から海外への依存度が高いダイズの収量を上げることが重要な課題となっている。ダイズの栽培では、収穫前やコンバイン収穫時に莢さやがはじけて豆が地面に落ちてしまうことで、収穫ロスが収量の2割を超えることも。収量の向上には、実る豆の量を増やすことに加えて、収穫ロスを減らすことが重要となる。
気候変動による収穫期の高温や乾燥、人手不足による収穫作業の遅れ、機械収穫による物理的な刺激が、莢がはじけることによる収穫ロスを増やす要因になっている。農研機構は海外品種に由来する莢のはじけにくさ(難裂莢性)を導入した「ダイズ難裂莢性品種群」を開発。実証試験で従来品種と比較して収穫ロスを1/2~1/3に減らせることを示している。これらの品種群はこれまでに1万ha以上に普及が進んでいるが、栽培規模の拡大や温暖化が進行するなか、今後はさらに莢がはじけにくい品種の開発が求められる。
莢がはじける仕組み
一方、アズキはダイズに比べて莢がはじけにくいことが知られており、2020年に農研機構を中心としたグループは、その原因となる遺伝子の変異を同定した。ダイズはアズキの莢のはじけにくさに関与する遺伝子と同様の遺伝子を4個持っている。
同研究では、ダイズの突然変異集団から4個の遺伝子にそれぞれ変異を持つ系統を見つけ、交配によってそれら4つの変異を同時に持つダイズの変異体を作成したところ、莢がほとんどはじけなくなることを明らかにした。今後、これらの変異を既存のダイズ品種に導入し、実用化に向けての検証を行うことで、ダイズの難裂莢性をさらに強化し、ダイズの収量を高めて、食料安全保障に貢献することが期待される。
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