【特殊報】ナスこうがい毛かび病 県内で初めて確認 埼玉県2025年9月9日
埼玉県病害虫防除所は、ナスにナスこうがい毛かび病を県内で初めて確認。これを受けて9月5日、令和7年度病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。
埼玉県病害虫防除所によると8月中下旬、県内のナス栽培露地ほ場で、果実表面に白色で毛足の長いカビが密生し、先端に類球形の黒色小塊を生じるとともに果実が腐敗する被害が発生した。
被害果を採取し、光学顕微鏡で検鏡観察したところ、無色透明で太い分生子柄と褐色で楕円形ないし紡錘形の胞子嚢を多数確認。胞子嚢の表面には、縦縞条線をしばしば生じていた。
観察された糸状菌の形態的特徴はChoanephora 属の記述と一致。被害果の病徴と標徴、病原菌の形態からChoanephora sp.によるナスこうがい毛かび病による被害であると判断した。
(提供:埼玉県病害虫防除所)
ナスこうがい毛かび病の特徴として、被害果の表面に白色で長さ2~3mm のカビ(分生子柄)を密生し、先端に、大きさ0.2~0.4mm の黒色で球形ないし亜球形に見える胞子嚢塊を形成する(写真1・4)。
(提供:埼玉県病害虫防除所)
果頂部から発病することが多く(写真1)、これは開花後の花殻が感染の足掛かりになるためと考えられる。被害部は腐敗し、しだいに果実全体に及ぶ(写真2)。被害果はしばしば汁液を漏出(写真3)。腐敗臭は強くなく、かすかな発酵臭を生じることがあり、ハナムグリ類が飛来し摂食することがある。
(提供:埼玉県病害虫防除所)
分生子柄は無色で太い(写真5)。胞子嚢は褐色で球形ないし紡錘形、表面に浅い縦縞条線をしばしば生じる(写真6)。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)ナスこうがい毛かび病を対象とした登録農薬は無いため、耕種的・物理的対策をとる。
(2)発病果は重要な伝染源になるため、見つけ次第切除してほ場外で処分する。
(3)開花後の花殻はこまめに除去し、本病原菌の増殖源にならないようにする。
(4)ほ場内および株内の通風をはかるため、過繁茂とならないようこまめに剪定や摘葉を行う。
(5)栽培管理の際に摘除した葉や枝、果実はほ場内に放置せず、ほ場外に持ち出すとともに土中深く埋めるなど適切に処分する。
(6)昆虫類による本病原菌の伝搬を避けるため、害虫防除を適切に行う。
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