キャベツの新品種「がいな」 21年1月発売-サカタのタネ2020年10月16日
サカタのタネは2021年1月上旬から中早生平玉キャベツの新品種「がいな」を発売する。温度上昇期に形状が安定し肥大性に優れるという特徴を持つ。
キャベツの新品種「がいな」
キャベツの栽培は1年を通して品種を使い分けながら行われているが、特に春から夏にかけての温度上昇期に収穫するキャベツは結球開始期の低温の影響で形状が丸くなりやすくなる。一方、キャベツは箱詰めや機械加工がしやすいよう、平玉(扁平(へんぺい)に近い横長気味の形状)で形状安定性の高い品種が求められる。
新品種「がいな」はそうした温度上昇期でも平玉形状で仕上がり、近年需要の高い加工・業務用にも適したしっかりとした肉質、ずっしりと詰まった重量感のある大玉収穫が可能な品種として同社が育成した。
加工・業務用需要に応える新品種
わが国の野菜生産は30年間減少し、現在は横ばい状態となっている。しかし、キャベツは近年生産量が増加傾向に転じた。その理由の1つはカット野菜やサラダ需要の増加などによる加工・業務用需要の増加だ。同時にスーパーマーケットなどに出荷される青果用のキャベツも依然として存在感がある。
「がいな」は肥大力があり割れにくく、玉がしっかりと締まりながら肥大するため、青果用に向くL玉のサイズになったところで十分に締まりのよい玉が収穫できる。また、裂球が遅く在圃期間が長いため出荷調整がしやすい。株間を十分に広くとった場合は、割れずにぐんぐんと肥大し、玉の内部も隙間なくきれいに詰まるので、加工・業務用に適した重量感のある2~3Lサイズの大玉が収穫できる。
一般地・暖地での「1月上旬~3月中旬まき5月下旬~7月中旬どり」、高冷地での「2月下旬~6月下旬まき6月下旬~10月下旬どり」が可能だが、どちらの作型でも特に早まきでの形状安定性・肥大力において高い能力を発揮する。草勢も強いため水田の裏作など大きくなりにくい条件でも十分に肥大。試作産地からも特に肥大力や重さについて高く評価する声が上がっているという。さらに、肉質がしっかりしていて千切り加工をした際などに水が出にくい点も加工・業務用として期待される。
食のニーズが多様化するなか、青果に求められる特性も多様化している。同社は「そうしたニーズに応えるため、品種開発や栽培方法の提案という面から貢献し、生産者の経営の一助になれるよう努めていきたい」としている。
キャベツ「がいな」の種子の希望小売価格(税抜)は1袋2000粒入り4250円、1缶ペレット種子5000粒入り1万2500円。全国のJA、種苗店を通じて2021年1月上旬から販売予定。
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