国内初のドローンによる密漁監視システムを導入 青森県野辺地町漁協2021年4月12日
青森県野辺地町漁業協同組合は、最先端技術を結集した「ドローン×AI×遠隔情報共有技術」を用いた密漁監視・抑止システムを導入し、4月から運用を開始。 ドローンによる密漁監視・抑止システムの本格運用は国内初となる。
国内初のドローンによる密漁監視システムを導入 青森県野辺地町漁協
同システムは、(株)エアーズと(一社)日本UAV利用促進協議会(JUAVAC)が、2017年から実証実験を積み重ねてきた、ドローンによる密漁監視システムに高精度な判別能力を持つAIを搭載。また、ドローンが取得した映像や位置情報など広範囲な状況把握をリアルタイムに複数の関係者が共有できる新システムも加え、密漁監視・抑止に最大の効果が発揮できるよう構築されている。
同システム運用のために、新たに開発したセキュアな国産専用機体である株式会社自律制御システム研究所(ACSL)製ドローンを使い、沿岸警備上の情報漏洩リスクを低減する。
背景には近年、増加する悪質な密漁があり、2020年12月1日には改正漁業法が施行され、密漁者に対する厳しい罰則規定が定められた。しかし、その後も全国的に密漁被害は後を絶たず、密漁対策として、密漁監視用レーダーシステムの設置や密漁監視艇を運用しているにも拘らず、その効果は特定エリアに留まる。悪質な密漁者の性格上、その監視・抑止行為にも多大な危険が伴う。
今回、ドローン×AI×遠隔情報共有技術を用いた密漁監視システムの実装により、密漁被害が予測される管轄内エリアを区分し、時刻や飛行ルートを適時、組合内部にて決定し設定。主に密漁行為が行われる夜間に赤外線カメラを搭載したドローンが設定されたルートを飛行する。
撮影画像をAIが判別、瞬時にその画像と位置情報を複数の関係者に伝達する。時速36キロで飛行するドローンは、複数ルートを短時間で移動可能で、広域なエリアも漏らすことなく監視できる。搭載されるカメラは高精度可視光カメラ・赤外線カメラで、昼夜の隔てなく密漁船・密漁者の特定が可能。
ドローンによる上空からの監視は、死角となっていたエリアをカバーし、「不審車両」、「船舶」、「ゴムボート」、「人物」、「船外機」、「潜水時にダイバーが吐き出す泡」まで特定できる。
同組合は、密漁者が現れる可能性が高いエリアを自動航行で広域にわたり監視。その機動力と監視能力の高さは密漁者への抑止効果につながり、また捜査機関と連帯することにより密漁者早期確保へと繋げることができる。
現行の法規では、密漁した海産物を海上に上げない限り密漁と認定されないが、ドローンに発見された密漁者は、その海産物を捕獲しようとせず海中に投げ出すことが想定され、場所の特定ができていれば被害とならず、組合での海産物回収が可能となる。同システムにより、密漁監視・抑止に関わる漁業者の安全確保とコスト削減が期待される。
なお、今回の運用に先立ち、「密漁監視・抑止システム」の公開デモンストレーションを実施。ドローンの機敏な行動軌跡や、これによる密漁監視・抑止への期待効果を明らかにするとともに、飛行の方法や撮影手順などの概要を公開する。
<実施概要>
日時:4月16日13:00~14:30※小雨決行、
場所:野辺地町漁業協同組合(青森県上北郡野辺地町字野辺地568)
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