神戸市の再生リン活用肥料の売り上げ約3倍に 肥料高騰で注目 一般向け肥料も好調2023年2月14日
ロシアのウクライナ侵攻などで肥料価格が高騰する中、神戸市が下水処理場の汚泥から再生したリンを活用した肥料「こうべハーベスト」の今年度の売り上げが、昨年度の約3倍に上る見通しであることが分かった。同市が一般家庭向けに小分け販売した肥料の売れ行きも好調だ。
再生リンを活用した園芸用肥料「こうべハーベスト」
神戸市は、肥料原料のリンのほとんどが輸入に依存される中、下水処理場から出る汚泥にリン成分が含まれていることに着目して平成23年度から肥料メーカーとリン資源を開発する技術に取り組んできた。その結果、園芸用肥料として再生リンを20%使用した「こうべハーベスト10-6-6-2」と、水稲用肥料として再生リンを15%使用した「こうべハーベスト水稲一発型」の2種類を開発し、JAなどを通して販売している。
同市によると、ウクライナ危機などで肥料価格が高騰する中、「こうべハーベスト」に関する肥料メーカーからの問い合わせが約5倍に上るなど大きな反響があり、令和4年度の売り上げは3年度の約3倍に上る見通しであることが分かった。同市によると、
令和3年度の売り上げは「こうべハーベスト10-6-6-2」が約4200袋、「こうべハーベスト水稲一発型」が約2400袋で、今年度は特に野菜栽培などの適用範囲が広い「こうべハーベスト10-6-6-2」の販売が好調だという。また、再生リンの販売量も順調で、今年度の販売量は昨年度の約25トンの約3倍に上る見込みという。
さらに、同市は昨年12月から「こうべハーベスト」を一般家庭菜園や小学校の野菜作りなどにも使ってもらおうと、「こうべSDGs肥料」(1㎏)として小分け販売を始めた。JA直売所をはじめ、JAから直接、公園緑化協会や教育委員会に販売しており、2月上旬までに約400袋が販売され、好調だという。
同市は、肥料価格の高騰で全国的に下水汚泥の再生リンを活用する動きが加速し、「こうべハーベスト」が注目される中、昨年秋には農家に購入費の一部を助成する支援などもしており、農家への支援とともに再生リンを使った肥料の普及を通して環境保全型農業の推進も図ることにしている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日