共同購入コンバイン 型式決定 4条刈50馬力 100万円超の価格引き下げ実現 JA全農2023年12月22日
JA全農は12月22日、農業機械の共同購入第3弾として4条刈50馬力クラスの型式を決定したと発表した。24年1月から受注を開始する。
型式:YH448AEJU
全農は共同購入第3弾では主要3機種(トラクター、コンバイン、田植機)のなかでもっとも利用経費が高いコンバインを共同購入し、生産者の資材コスト低減をめざすこととした。
2022年4月から7000人を超える生産者にアンケートを行い、それを踏まえて同年9月に国内農機メーカー4社に開発要求を行った。あわせて耐久性、取扱性、安全性などについて開発要求とは別に付帯要求も行った。
それをもとに提案された開発機を今年11月に農業者団体(JA全青協、日本法人協会、4Hクラブ)の代表者とともに試験データなどを確認し、このほどヤンマーアグリ(株)が製造するYH448AEJUに決定した。
選定した共同購入コンバインのメーカー希望小売価格は670万円(税抜)。現行の4条刈50馬力クラスのコンバインと比較し、地域差はあるものの15%~18%程度の価格引き下げを実現し、同クラスのものより100万円ほど低価格となる。
生産者が必要とする機能に厳選し、価格を抑えながらも機体が傾いても水平に保つ車体水平制御機能や、湿田でも滑らかな旋回と安定した直進ができる常時駆動方式(FDS)など作業性に優れた機能が採用されている。
事前購入の意向調査では2500件を超える申込みがあり、これをふまえて全農は「生産者が必要な機能を厳選したコンバイン」をコンセプトに1000台の購入目標もメーカー側に示した。
全農は必要な機能に絞った農機の開発要求と、生産者の需要を取りまとめて一括発注することで、メーカーも製造を効率化し、生産者の購入価格の引き下げが実現できたとしている。
受注開始は2024年1月から27年5月末まで。
共同購入第1弾の大型トラクターは目標1000台に対して実績は2214台となった。また、第2弾の中型トラクターは目標2000台に対して24年1月までに5881台が供給される予定になっている。
これまでの取り組みで標準的な同クラスの価格と比べ価格低減効果によって生産コスト低減につながったことに加え、低価格モデルの新たな需要が生まれ、メーカーも低価格モデルを発表するようになった。
全農はこうした取り組みを通じて営農を支援していきたいとしている。
【共同購入機の概要】
◯機種・馬力:コンバイン(4条刈、51.5馬力)
◯型式:YH448AEJU(製造元:ヤンマーアグリ(株))
◯メーカー希望小売価格:670万円(税抜)オプション設定品は含まず
◯主な機能・装備:自動こぎ深さ制御、車体水平制御、オーガ自動制御(旋回・収納)、刈取オートスクラッチ、掻きこみペダル、大型後方ミラー、フルタイム・ドライブ・システム、手こぎ安全装置、オートデセル(エンジン回転自動制御)、無給油で概ね1日作業(おおよそ6時間を想定)が行える燃料タンク(43リットル)
◯オプション:防塵カバー、作業灯(こぎ口、オーガ先端)、無線オーガリモコン、種子キット
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