ＪＡふかや、深谷市とねぎ残渣バイオスティミュラントを活用した実証開始 AGRI SMILE2024年8月7日
AGRI SMILEは、深谷市と2023年3月に締結した「アグリテックに関する連携協定」にもとづき、深谷市およびＪＡふかやとバイオスティミュラントを活用した深谷ねぎの減肥栽培、深谷ねぎの残渣を活用したバイオスティミュラントの検証を開始した。
ＪＡふかやは、農家手取りの最大化を目指すなか、肥料等の銘柄集約や土壌診断による適正施肥の取組でのコスト低減など、トータル生産コストの低減を目指している。「深谷ねぎ」に代表される深谷市は、農畜産物の生産が盛んで「関東の台所」と呼ばれる。
一方で、生産の過程で排出されるねぎ残渣は、皮や根など、他の野菜と比較して廃棄量が多く、全国の年間収穫量約48万トンのうち、約3割の13万トンの廃棄が推定される。残渣の焼却処理には膨大な費用や環境負荷もかかるため、残渣の有効な利用方法の開発が喫緊の課題となっている。
AGRI SMILEは、ねぎ残渣を用いたバイオスティミュラント素材の開発に成功しており、同実証では、ねぎ残渣バイオスティミュラント資材の開発に向けて、工場スケールの製造品とラボスケールの製造品の性能を比較し、品質・効果に相違がないことを確認。さらに、実圃場での反復試験や、ねぎの植物体元素解析および遺伝子解析を用いた科学的根拠情報など、バイオスティミュラント効果の確実性を検証する。
また、化学肥料の使用量低減および残渣廃棄の削減によるカーボンニュートラルの取り組みから、温室効果ガス排出量の削減効果を試算する。
食品残渣を原料として開発されたバイオスティミュラント資材は、フードサプライチェーンの食品廃棄問題を解決しながら農業生産量の拡大や化学肥料の使用量低減に寄与できることから、脱炭素社会と環境保全型農業の実現が両立できる画期的な生産技術として注目されている。同実証では、残渣型バイオスティミュラントを用いた環境保全型農業を推進し、高付加価値な農産物の需要増加と認知向上を目指す。
ねぎ残渣
◎検証内容
（1）深谷ねぎの減肥栽培検証
・深谷市内の生産者圃場で、ねぎ残渣バイオスティミュラントを活用した深谷ねぎの減肥栽培を実施。
・ねぎの植物体元素解析および遺伝子解析など、バイオインフォマティクス手法を用いてバイオスティミュラント効果の確実性を検証。
（2）ねぎ残渣バイオスティミュラントの開発と検証
・株式会社レグミンと協同し、苗からのバイオスティミュラント散布試験を実施。
（3）深谷ねぎのブランディング活動
・廃棄されるねぎ残渣を活用した農作物を通じて、地域貢献や環境保全農業を訴求することで、深谷ねぎの付加価値を高め、ブランディングを推進する。
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