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日本を農業で元気に 創業130年老舗ベンチャー企業の挑戦(下)・(株)カクイチ 代表取締役社長 田中 離有 氏2016年9月8日

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「今こそ農業」多彩なビジネスを展開
聞き手:鈴木充夫前東京農業大学教授((株)協同経済経営研究所所長)

◆農家と手を携え多彩なビジネス

日本を農業で元気に 創業130年老舗ベンチャー企業の挑戦(下)・(株)カクイチ 代表取締役社長 田中 離有 氏 鈴木 具体的にはどんな事業でしょうか。

 田中 水の事業から生まれたナノバブル(超微細な泡)を発生させる水の活用です。実際に農家の方に試験的に使ってもらっています。私たちに信頼を寄せていただいている農家の方によって何に役立つか、を検証してもらえばいいということです。

 鈴木 さまざまな企業が斬新な技術を開発していますが、実は多くの場合、現場の農家の方々に使ってもらうためのパイプづくりができていません。カクイチグループはこれまでの事業で関係を強化した農家がすでにいるわけですから、現場に非常に役立つ可能性が高いと思います。

 田中 実際、山形県で実験してもらっている農家からは、この水を使ったところレタスから苦みがなくなったとか、チップバーン現象もなくなって生産量も上がったと聞いています。結果として、生産量を落とさず品質も向上させることに役立っているかもしれないということです。
 同時に今考えているのは、モノを売ってその時点でお金をいただくという仕事が変わっていかなければならないのではないかということです。
 この水はまず農家のみなさんに試していただく。それで納得のいく効果が認められれば使ってもらい、その時にそれなりに対価を頂ければいい。農家とのつながりを大事にしたいということです。

 鈴木 結果として、創業時の"先義後利"という考えがこれからの時代に必要になってきたということかもしれませんね。
 いろいろなかたちで日本の農業を支えていくということが、周辺事業にとっても自らの事業環境の改善につながるという循環が生まれると思います。今まではビジネスモデル、という言い方で、こうやれば自分が儲かる、といった考えが中心だったと思いますが、どうすれば相手のためになるのかということが大切だと思います。

 田中 日本が元気で自立する社会をどうつくるかを考えたときに、やはり事業主である農家のみなさんが各地域で元気である必要があると思います。
 そのためには、やはり石油を輸入するのではなく自分たちでエネルギーをつくるという発想や、脱ケミカルの農業をめざすといった考え方も必要ではないかと思います。農家が元気になってそこでみんなが働いていれば地域社会が活性化し自立型の社会になるのではないか。そうなれば若い人たちも農業をめざすと思います。

 鈴木 そのために農協に対してはどのような期待をしていますか。


◆農協と連携し原点回帰へ

 田中 カクイチの原点は金物屋で草刈り鎌を売る仕事から始まり、ホース事業も農薬散布用から始まっています。ハウス事業の広スペースハウスは農機具用の倉庫として農家と農協のみなさんに支えられて日本中に10万棟建てさせていただいています。
 当社の歴史は、農家と農協のみなさんの支えがあったからこその歴史ですが、改めて原点である農家のための経済事業を中心に事業展開することが大事になっていると思います。
 私たちには、たとえば地域にショールームがありますが、これがみなさんで情報共有できるサロンになっていけばいいと思っています。農業には助け合う、支え合うということが重要です。私たちとしても、自分たちの顧客のための直営販売所という考え方から転換していこうと考えているところです。みなさんに使ってもらえる場所として、ということです。モノを売るだけの時代ではなくなっており、さまざまな情報の提供、交換が求められていると思います。

 鈴木 そうした会社の基本的な理念がしっかりとある地域の企業と、農協が連携して地域農業振興をすることを期待したいと私は思います。

 田中 会社としてはスモールでいいから光輝いていたい。こんな会社があったのかと思われるような企業にしていきたいと思っています。
 これまでも発想を転換して新しい事業を生み出してきました。ものまねではなくて、カクイチとは、各々が一番、という意味だと思っています。社員一人ひとりが自分にしかできないことで光輝けばいいということです。それも世の中のためにという姿勢であれば応援してくれる人も増えると思います。JAともさらなる信頼関係を築き、よきパートナーとして日本農業発展のために一緒に取り組んでいけたらと思っています。

 鈴木 ご活躍を期待します。

インタビューを終えて
 カクイチの創業理念である先義後利、この考え方が、現在では忘れられているのではないだろうか? 安倍政権における「農業改革、農協改革」は「農家も農業もカネを儲けること」が目的となり、これを実現するビジネスモデルが「改革」だと言っているようだ。相手のためになる、がビジネスの原点だと語る田中社長との対談から、組合員にいかに貢献するかという農協の原点を改めて認識させてもらった気がした。(鈴木)

(たなか・りう)1985年慶應義塾大学商学部卒。90年、米国ジョージタウン大学でMBA取得、(株)カクイチに入社。2001年同社代表取締役副社長、14年同社長。

・日本を農業で元気に 創業130年老舗ベンチャー企業の挑戦 (上) (下)

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