佐賀生まれのかんきつ新品種「にじゅうまる」デビュー 佐賀県2021年2月12日
佐賀県は2月10日、かんきつの新品種「佐賀果試35号」の発表会を県内で行い、ブランド名を「にじゅうまる」と発表した。甘味と酸味のバランスのよい食味と、つぶつぶとジューシーな食感が特長で、3月上旬から、東京などに向けて出荷される。
佐賀県内で行われた新品種「にじゅうまる」の発表会。中央は山口知事。
1986年以降30年以上にわたり、「ハウスみかん」生産量1位の佐賀県。「にじゅうまる」は、佐賀県が20年以上の年月をかけて品種開発を行った新しい中晩柑で、食べごたえのある大きさと、爽快な香り、プチッとした食感にジューシーな果汁が特長。甘味と、ほどよい酸味が絶妙なバランスで美味しさをぎゅっと閉じ込めた。貯蔵性に優れる品種で、他の中晩柑より長く市場に出回ることが期待されている。
生産者の高齢化や単価の低迷、他地域品種の台頭などを背景に、佐賀県生まれで高単価を見込める新しいかんきつの誕生が、長年待ち望まれていたが、「にじゅうまる」は、大きさ、味、香り、食感、見た目の良さに加え、流通上の利点も兼ね備えた佐賀県の自信作だ。
10日に開かれた発表会では、佐賀県の山口祥義知事、JA佐賀中央会大島信之副会長に、品種開発担当者と県内生産者が登壇し、「にじゅうまる」の開発や育成の背景などを披露。また、発表の日とブランド名をかけて、2月10日を「にじゅうまるの日」として制定し、日本記念日協会に記念日登録されたことも発表した。
山口知事は「佐賀県を代表するブランドかんきつをつくりたいという人達の20年分の夢と努力がここに結実した。切ったときの断面が◎(二重丸)に見える美しさと、身体中にじゅわっと広がる感覚を楽しんでいただければ」とアピール。開発を担当した佐賀県農業大学校 養成部の松尾洋一教授は「佐賀県のかんきつ生産者の所得向上に繋がり、広く普及していって欲しい」と述べ、生産者でJAからつ 果樹部会の加茂達也会長は「佐賀県のかんきつのエースになると思う。頑張って生産していきたい」と意気込みを語った。また、JA佐賀中央会の大島副会長は「"にじゅうまる"のブランド発表は、生産農家の大きな励みになる。これからの佐賀県の農業を引っ張っていく存在になって欲しい」と話した。
今年度は、10戸の生産者、約1.1ヘクタールの栽培面積で、約32トンの出荷を見込んでおり、3月上旬ごろから東京など各地に出荷。佐賀県内では3月5日から店頭で販売される。同県は今後、県内の「にじゅうまる」生産農家を拡大し、生産量を年々増加させていく予定。
断面がきれいな二重丸の「にじゅうまる」
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