待望の赤肉メロン「赤いアンデス」を開発2015年5月7日
サカタのタネは、日本の代表的なネットメロン「アンデス」シリーズに、38年ぶりとなる新品種「赤いアンデス」を開発、5月上旬より青果の流通を開始する。
「アンデス」シリーズは、高級品だったネットメロンを、多くの人に食べてもらおうと、1977年に同社が発表した新品種だ。「アンデスメロン」の愛称で、全国的な知名度がある。
「アンデス」の名称は、「生産者が作って・青果店が売って・消費者が購入して=安心です」のセールスポイントから、安心ですの「しん」を抜いて「アンデス」としたもの。今回開発された「赤いアンデス」の最大の特徴は、果肉の色。従来の「アンデス」シリーズの果肉は緑色だが、「赤いアンデス」の果肉は鮮やかなオレンジ色だ。
糖度は16度程度で、果肉はメルティング質(舌触りがよく、口の中でとろけるような食感)だ。また現在広く流通している定番の赤肉メロンは、常温保存で食味や肉質が劣化しない期間が収穫後7?10日程度だが、「赤いアンデス」の賞味期間は同10?14日程度と長い。
収穫後間もないころから熟し切る直前まで、肉質は硬すぎず軟らかすぎず、食味も変化しにくく、いわゆる「食べ頃」の状態が長く続く。メロンは見た目では食べ頃が分かりづらいが、「赤いアンデス」は、食べ頃の期間を長くすることで、消費者や流通・青果店のニーズに対応している。
こうした肉質と食味から、核家族や個食などを背景とした青果物のカット売り需要にも、「赤いアンデス」は適している。
同社は従来の「アンデス」シリーズに「贈って安心です」という新たなアピールポイントを付け加え、市場を活性化させていく考えだ。
「赤いアンデス」は、低温でもつるがよく伸び、果実がよく肥大し、開花後55日前後で熟す。ネットの発生も安定しており、栽培しやすい。また、つる割病に抵抗性があり、メロン栽培の課題であるうどんこ病にも強く、メロンの生理障害の1つである発酵果が発生しにくいという特徴もある。
高品質と栽培しやすさを両立させるため、同社は開発に15年の歳月をかけたという。「赤いアンデス」は熊本県、山形県などで栽培されており、青果は4月30日頃から7月末頃まで流通する。種子は、2016年から産地を限定し、販売される予定だ。
(写真)赤肉メロン「赤いアンデス」
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(155)-改正食料・農業・農村基本法(41)-2025年8月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(72)【防除学習帖】第311回2025年8月16日
-
農薬の正しい使い方(45)【今さら聞けない営農情報】第311回2025年8月16日
-
(448)郷愁とノスタルジー【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月15日
-
あらゆる暴力の即時停止を 被爆・戦後80年にメッセージ発表 パルシステム連合会2025年8月15日
-
京都府「第3回京のこだわり畜産物レシピコンテスト」開催2025年8月15日
-
「パンのフェス2025」三井アウトレットパーク木更津で9月に開催2025年8月15日
-
機械審査なし「お米番付12回大会」エントリー開始 八代目儀兵衛2025年8月15日
-
東京23区の住民 過去1年間に森林を訪れたのは3人に1人 森林総研2025年8月15日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋冬野菜の病害虫防除 異常気象こそ先手対応を2025年8月14日
-
見なくなった案山子、燕・雀・烏【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第353回2025年8月14日
-
花がよく売れるお盆・彼岸から見えてくる花産業の問題点【花づくりの現場から 宇田明】第66回2025年8月14日
-
渡り鳥「キビタキ」「ノビタキ」越冬地との間の移動経路を明らかに 森林総研2025年8月14日
-
国産・添加物削減・減農薬にこだわり「デポー国領駅前」リニューアルオープン 生活クラブ生協2025年8月14日
-
果実のフードロス削減・農家支援へ「キリン 氷結 mottainai 浜なし」再登場2025年8月14日
-
【役員人事】バイエル(9月1日付)2025年8月14日
-
「地元で働きたい」に応える 地域限定採用で安定雇用も実現 パルシステム埼玉2025年8月14日
-
政府の「米増産」方針 立ちはだかる「壁」と拭えぬ不安 産地JAと米農家の声2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(1)2025年8月13日
-
【サステナ防除のすすめ2025】果菜類(施設)編 太陽熱で死滅狙う(2)2025年8月13日