(株)貧困大国アメリカ

- 著者
- 堤未果
- 発行所
- 岩波書店
- 発行日
- 2013年6月27日
- 定価
- 760円+税
- 電話
- 03-5210-4000
- 評者
- 中野隆三 / JA安房理事
高い失業率で4600万人もの職を失った人々がSNAP(農務省の食料支援プログラム、以前はフードスタンプと呼ばれた)カードで栄養補助食を買い命を食いつないでいる。SNAPにより売り上げが入る食品業界と偏った食事が病気(2型糖尿病等)発生を助長し需要を押しあげる製薬業界、それにカード事業を請け負う金融業界の三者には莫大な利益が入ると著者はいう。
米国の食と農 その戦慄すべき実態
食品加工企業は中小農場者と契約取引で農務省の小規模農家支援制度(信用保証協会ローン)を申請、企業側のルールを守らなければ契約は破棄され、農業者には莫大な借金が残る。銀行は農地を叩き売り、その農地を大規模化して食品企業などの投資を呼び込む。生産工程の異なる企業による提携、合併、買収で競合者がいなくなり市場が統合化される。巨大企業による産業独占と寡占化が急激に進んでいる。それを可能にしたのは「規制緩和」である。
自由貿易政策は「より多くの製品」を「より少ない労働力」で生み出すことを目標にしている。農業は集約され大規模な工場型産業になり、小規模な農家は消滅、農業従事者は株式会社経営の下で低賃金、福利厚生なしで雇われる。さらに多国籍企業は政府の支援を受けGM作物により製薬企業と投資家が連携して膨大な利益をむさぼる。本書はTPPや日本の規制改革会議が行っていることに警告を発しているように思う。必ず読むべし。
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日
-
木南晴夏セレクト冷凍パンも販売「パンフェス in ららぽーと横浜2025」に初出店 パンフォーユー2025年9月17日