農協は協同組合である 歴史からみた課題と展望
- 著者
- 北出 俊昭
- 発行所
- 北出 俊昭
- 発行日
- 2014年11月
- 定価
- 2500円+税
- 評者
- 農業開発研修センター客員研究員 / 青柳 斉
本書は、その副題が示すように、戦前の産業組合及び戦後農協の歴史的展開過程について、主に制度面から論じた専門書である。
協同意識の向上が重要
具体的には全5章の構成で、産業組合と戦前の農業団体(第1章)、農協の「農民主体」と組合員問題(第2章)、農協の規模拡大と組織・事業・経営(第3章)、農協組織の農政運動と地域農業改革(第4章)、現代における協同組合と農協組織の役割(第5章)、となっている。
本書で著者が最も主張したい点は、「わが国の協同組合には…国策に基づいて組織されたこともあり、農業者は自ら自主的に参加したのではなく…『当然組合員』の意識が強く存在する。これは換言すれば現在の農協組織の改革には、改革主体である組合員および役職員の協同意識の向上が極めて重要なことを意味する」という文言に集約される。
また、最近の農政運動に関連して、「『官邸主導』の『政高党低』が強まっていることは、『政府』、『政党』、『農業団体』の農政推進トライアングル構造が崩壊し」、「政党との関係において新たな農協農政運動の再構築が求められている」という。ただし、「農協農政にとって重要なことは…政府に対して協同組合原則の『自治と自立』とを堅持しながら、組合員本位の農業農政を要求し、実施させるよう運動することである」と強調する。
不当な農協改革政策に対抗する正論の主張として、関係者に是非一読を勧めたい。
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