「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
山梨県は、脱炭素社会の実現と「やまなしカーボンフリー農業」の実現のため、世界初となる実証実験「有機薄膜太陽電池を活用したブドウ園での発電とその電力をブドウの着色向上に活用」を7 月中旬から、山梨県の果樹試験場で開始する。

実証実験は、果樹試験場のブドウ園の上に展開される簡易雨よけに、「有機薄膜(はくまく)太陽電池」という「次世代型太陽電池」を設置し、発電した電力で山梨県のオリジナル品種ブドウ「サンシャインレッド」の着色向上を図るもの。使用する有機薄膜太陽電池は、光を通し、薄くて曲がるフィルム形状で、簡易雨よけに設置した場合でも、その下で植物を普通に栽培できるという特徴がある。
これまでの太陽電池は黒く光を通さない素材のため、農地での使用には不向きだったが、この有機薄膜太陽電池は透明度が高く光を通す上に、色を変えることが可能。透過する光を選択できるため、農園でも使うことができる。こうした特徴を活用し、簡易雨よけに太陽電池を設置・展張できれば、植物の生育を阻害せず、太陽光発電を行うことができる。
また、「サンシャインレッド」の着色向上のため、果樹の下側からLEDライトなどで光を照射すると効果があることが分かった。今回の実証実験では、太陽光発電により得た電力を使い、LED ライトの光でブドウを照射する。
こうした農業における再生可能エネルギーの生産と活用により、カーボンフリーに向けた課題の解決とともに、生産された農産物をカーボンフリーフルーツとして付加価値向上も目指す。
実証実験では、「有機薄膜太陽電池」の最先端の研究に取り組む公立諏訪東京理科大学と共同研究を実施。今回の実証実験のほかにも、農業用ハウスでの水素を活用した加温の実証実験に向けた準備も進めている。
山梨県ではこれらの取り組みを通じ、農業分野におけるCO2排出量の削減を図るとともに、水素と再生可能エネルギーを活用した「やまなしカーボンフリー農業」を実現。カーボンフリー農業の先進県として脱炭素社会に貢献するモデルを構築する。
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