【コラム・ここがカンジん】農協批判をどうみるか2014年8月29日
今回の「規制改革会議」で議論されたJA批判をどう受け止めるか。これをTPP反対運動潰し、またそれと連動したJA潰しや農村市場における営利企業のマーケットシェア拡大を企図するものとのとらえ方は当然であり、そのような背景があることは事実だろう。
しかし一方で、今回のJA批判が主務省である農水省から出されていることに注目しなければならない。
農水省が主導の改革
「規制改革会議」のメンバーは財界中心で農業・JAの実情を知らない人達の集まりであったが、それだけに今回のようなJAの心臓部をえぐる提案が可能であったとは思えず、議論を誘導してきたのは他ならぬ農水省であったことは衆目の一致するところだ。
このように考えると、今回のJA批判はこれまで行われた農協の行政監察や住専問題を契機とした農協批判などと様相を異にすることが分かる。
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これまでのJA批判はあくまでJAの外部勢力との対抗のなかで行われてきたものであり、主務省たる農水省は程度の差こそあれ、JAとともにJA批判に対抗してきた。前述のように今回のJA批判が実質的に農水省によって行われているとすれば、それはJA批判というよりはJAに対する重大な警鐘乱打、警告として受け止めなければならない性格のものということになる。
農水省は、これまで「農協のあり方に関する研究会」報告、農協法の改正などを通じてJAが存在するのは一重に農業振興のためと主張してきた。この結果、JAはいつの間にか農業振興の責任を一身に負わされ、担い手が育たないのはJAのせいであるなどとさえいわれるようになった。それでもJAは、まさか協同組合の存在さえもが否定されることはないだろうと、一連の経済事業改革などJA運営について農水省の意向に沿った改革を行ってきた。
それが今回は、JAの存立基盤である協同組合が否定されかねないまでのJA批判が行われた。その背景には、もはや農水省は、産業としての農業の確立のためにはタブーなしのあらゆる手段を考えなければならないほど追いつめられているという事情があろう。農水省の目には、JAは農業振興(担い手育成)のために有効な手立てを打たないばかりか、協同組合という仕組みをJAの組織防衛の方便に使っているのではないかとさえ映っている
◇
こうした切羽詰まった状況での主務省によるJA批判だけに、その内容は厳しく、われわれに協同組合の本質とは何か、競争社会で生き抜くための他企業に対する優位性のある具体的な方策は何かを問うている。「規制改革会議」の提言はJA解体であることを踏まえ、JAの自己改革に協同組合としての真価が試されている。
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