【拉致帰国者のいまにひとこと】75歳になったジェンキンスさん2015年12月14日
元米国陸軍兵士ジェンキンスさんは、佐渡島に定住して10年になる。北朝鮮に拉致された曾我ひとみさんの夫である。75歳、家庭菜園が趣味。家の周りの畑でクボタのトラクターを動かして野菜を栽培している。サツマイモ、大根、ホウレンソウ、夏はトマト、きゅうり、なす、じゃがいも等ほとんどの野菜を作る。だが、野菜は嫌いで自分では食べないという。近所に配たり、妻の曾我さんが老人ホームで働いているので、持って行って無料で配るのが喜ばれている。農協などには販売しないという。
冬の佐渡を旅したとき、真野の旅館に宿泊した。
ジェンキンスさんの通訳を担当した友人がその町に住んでいる。旧交を温めるために声をかけたらジェンキンスさんを連れてきた。懇親会風に対面して座敷に座ったが、畳に長く座るのは辛いらしい。日本語はしゃべらない、佐渡の美味しい刺身も食べない。ビールや日本酒は口にするが、宴会食にはあまり手を付けない。通訳以外の我々には警戒感があるようでなかなか打ち解けた宴会にはならなかった。19歳と21歳の二人の娘さんを佐渡に連れてきたが、10年経って30歳前後の女性に成長した。一人は新潟の青年と結婚、もう一人は新潟の保育園で働いている。佐渡島に残された夫婦2人の生活は平均的な日本人と同じだ。但し、家族の会話は日本語でなく朝鮮語でするという。
平日は佐渡観光施設の売店で、お菓子の販売員をしている。ジェンキンスさんは名物売り子だから売り上げは多い。普通の売り子より時給も高いはず。社長から近日中に呼び出しを受けているという。契約の更改時期が来て、後期高齢者になったので、首になるか心配だという。働き者だがナイーブな性格のようだ。辞めさせられることはないよとジェンキンスさんを励ます宴会になった。
機械が好きで、北朝鮮ではエンジンを組み立てたという。軽自動車を運転し、バイクはホンダ。お酒は特売の安酒を好む。朝はパンと牛乳、昼はサンドイッチ、夜は野菜抜きの普通の日本食という。日本へ来たときは痩せていて48kgの体重が、今72kg、医者からダイエットを言われている。北朝鮮と日本の食糧事情の差を推測することができる。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日