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【小松泰信・地方の眼力】サマータイム・ブルース2018年8月22日

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【小松泰信(岡山大学大学院 環境生命科学研究科教授)】

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設阻止を掲げ、反対運動の象徴的存在だった翁長雄志知事が8月8日午後膵がんのため逝去。67歳。

◆魂の飢餓感

小松 泰信(岡山大学大学院 環境生命科学研究科教授) 「沖縄が日本に甘えているのでしょうか。日本が沖縄に甘えているのでしょうか」という、翁長氏が残した重い問い掛けで始まる西日本新聞社説(8月10日)は、「まさに命を削って、辺野古移設に抵抗する日々だったのだろう。『国策』に対する『地方からの異議申し立て』を体現した知事だった」と、氏の揺るがぬ姿勢を称えている。
 そして「歴史的にも現在も沖縄県民は自由、平等、人権、自己決定権をないがしろにされてきた。私はこのことを『魂の飢餓感』と表現する」と、辺野古埋め立てを巡る国との訴訟の意見陳述で述べた、聞く者の心に突き刺さる訴えを紹介する。
 死を悼みつつも、知事選に向けて政治は動く。
 だからこそ、「政府や本土の住民が、『沖縄への甘え』に対する翁長氏の告発を真摯に受け止め、沖縄県民の『魂の飢餓感』を理解しない限り、沖縄からの異議申し立ては続くだろう」という社説の締めを、本土住民の一人として重く受け止めた。

 

◆平和への願い

 8月9日、原爆投下から73年を迎え、長崎市の平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。平成最後となった長崎原爆の日。参列の機会に恵まれ、犠牲者に黙祷をささげた。長崎平和宣言を読み上げた田上富久長崎市長は、長崎の核兵器廃絶運動を長年牽引し、共に昨年鬼籍に入られた谷口稜曄(すみてる)氏、土山秀夫氏の言葉を紹介し、「二人がいなくなった今、改めて『戦争をしない』という日本国憲法に込められた思いを次世代に引き継がなければならない」と決意を表し、政府に核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすことを求めた。
 「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の田中煕巳(てるみ)氏は、自らの被爆体験から、「全国に移り住んだ被爆者たちは、被爆後10年余り、誰からも顧みられることなく、原爆による病や死の恐怖、偏見と差別などに一人で耐え苦しみました」と、訴えた。当初の原稿には含まれていなかった「ヒバクシャ国際署名」の文言も加え、これからの運動に意欲を示した。
 映像では絶対に伝わらない、本当に平和を願う厳粛な空気に充ちた式典だった。

 
 
◆裸の宰相に橋渡しは頼まない

 「しかし、安倍晋三首相は式典あいさつで、核禁条約(核兵器禁止条約;小松注)には直接言及せず、......保有国と非保有国の『橋渡し』に努めると述べた。......そもそも核軍縮の責めを負っているのは保有国だ。核禁条約が制定された背景には、核拡散防止条約(NPT)の下で軍縮が停滞していることに、非保有国が危機感を強めたことがある。保有国に停滞からの脱却を促し、説得することこそが被爆国の努めだろう。『橋渡し』についても具体的にどんな役割を果たすのかまだはっきりしておらず、これまでの振る舞いは保有国側の代弁者のようにしか映っていない」と指摘するのは、地元長崎新聞論説(10日)。
 子どもにでも分かるウソにウソを重ねて、多くの自国民にさえ信頼されていない首相を、重要な国際問題の「橋渡し」役と認める首脳がどこの国にいると思っているのか。裸の宰相、自惚れすぎにも程がある。
 式典には各政党の代表者各位が列席していた。最も覇気がなく、心ここにあらずのマイナスオーラを出していたのは彼一人だった。心は総裁選と沖縄知事選に飛んでいたはず。

 

◆イシバシを叩いて渡り安倍三選、ですか

 産経ニュース(8月11日21:34)によれば、安倍氏は「現職がいるのに総裁選に出るというのは、現職に辞めろと迫るのと同じだ」と周囲に語った。安倍流石破氏叩きの始まりか。氏の理屈でいけば、現職が自らその任を辞するか、死去しない限り、総裁選はない。潜在意識において終身総裁、終身首相すら狙っていることをうかがわせる妄言。馬鹿馬鹿しさをこらえて、「こんな人を選ぶのですか」と、自民党員に問いたい。
 翻って、「正直、公正、石破茂」というキャッチフレーズ、もちろん生徒会の立候補用のものではない。自民党総裁選用、そして結果的には首相を選ぶ選挙のためのもの。こんなお茶目なフレーズがやけに新鮮に見えること自体が嘆かわしい。加えて、氏の会見をネットで見た時、自民党の幹部にも日本語を普通に話せる人がいることがわかり、少し安堵した。現首相との違いを際立たせるためにか、メディアに対する姿勢も極めて好感度の上がるものであった。
 しかし、石破氏といえども、どこまで、真実、本音を語っているかは分からない。
 琉球新報社説(14日)は、氏が共同通信社での講演で、普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設について「県民の方々の理解が得られていない」と述べ、工事を強行する安倍首相のやり方を批判したことを取り上げ、そこまで言うなら「かつての自身の行為を反省し、やり方を改めるべきだ」と、厳しく問うている。
 "かつての自身の行為"とは、氏が幹事長時代の2013年に、同飛行場の県外移設を公約した県選出・出身の自民党国会議員5人に圧力をかけ、強引に辺野古移設を容認させたことを指している。

 

◆要らねえ、要らねえ、サマータイムは要らねえ

 2020年夏の東京オリンピック・パラリンピックにむけ、大会組織委員会の森喜朗会長が首相にサマータイム制度の導入を要望した。これを受けて、安倍氏はその可否について自民党に検討を求めた。党は近く議員連盟を発足させて検討を始めるという。すでにこの問題については、さまざまなマイナス事項が多方面から指摘されている。個人的には興味も関心も日に日に薄れていくこのイベントのために、体内時計を狂わされたくない。暑さ対策のためというなら、競技の開始時間を調整すれば済むだけのこと。サメの脳みそから出された浅知恵につき忖度無用。関係各位はクルーヘッドで知恵をお絞りください。
 辻田真佐憲氏(近現代史研究者)は「時間全体をずらすのは権力者の発想そのものだ」と語り、「夏時間を設ければスポーツに興味のない人も一人残らず巻き込まれる。五輪への無関心や不参加を許さない『国家総動員』だ」と批判する(毎日新聞12日)。
 "ぼくの好きな先生"忌野清志郎が存命であれば、必ずこう歌っている。
  ♪さっぱりわかんねえ 根拠がねえ あきれたもんだなサマータイム・ブルース♪
 「地方の眼力」なめんなよ

 

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