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【熊野孝文・米マーケット情報】30年産もち米急騰の構造的背景とは?2018年10月9日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

 「山形ヒメノモチが1万5700円で成約しましたよ」と仲介業者が少し興奮気味に話す。
 この業者が興奮するするのも無理はなく、それまで取引されていた29年産もち米に比べいきなり3000円以上の高値で新米取引がスタートしたのだから驚いているのはこの仲介業者だけではない。
 30年産もち米については業者間ではある程度値上がりするということは予想されていた。それは30年産の作付けが始まった段階で「今年はもち米の作付が少ない」と言う情報が各産地から伝えられていた。産地の中には作付が半分になったというところもあり、以前であればそれこそオオゴトであったが、そうした情報が伝わっても市中の反応は薄かった。それはもち米のマーケット自体が縮小したことが第一の要因。ピーク時には100万tもの生産量があったが、現在では35万t程度にまで落ち込み、もち米を扱う業者も減少した。今では信じられないことだが、過去には東京にもち米専門小売が複数店あった。そうした小売店の中には、当時、売却割り当てで来る政府古米の食味を良くするためにもち米をうまく活用しているもち米卸的な小売業者もいた。もう一つの要因はもち米の制度的構造要因である。
 その最大のものは加工用もち米制度で、この制度は他用途利用米の時代に全国米菓工業組合が運動して勝ち得たもので、当時は海外からもち粉ミックス粉の輸入が急増、それを使用しないということを条件に全国米菓工業組合だけに加工用もち米が助成金付きで供給されるようになった。平成16年産の加工用もち米の生産量はわずか4404tであったが、それが29年産では6万4115tと約15倍にも拡大した。加工用もち米の販売価格は1万円前後であり、一般のもち米を購入するよりはるかに割安であったので購入契約数量が増加するのはむしろ当然である。輸入もち粉ミックス粉が全て加工用もち米に振り替わったのかと言うとそうではない。組織発足以来、国内産米100%使用を謳っていた全国餅工の会員社も加工用もち米を買えるようになった。中には200haもの水田を耕作する稲作生産法人と全て加工用もち米にしてもらい契約している包装餅メーカーもいる。面白いことにアルファー化したおこわを製造販売していた大手メーカーが製品原料米をタイ産もち米から国産もち米に切り替えるべく、農水省に加工用もち米認定申請に出向いたところそれが認められなかった。理由は製品おこわの袋詰めがもち米と具材が別々に入っていたからである。そうした認定基準はいつの間にか霧散してしまい、それが加工用もち米の生産量が急増した要因である。
 ゆるやかな認定条件であれば30年産加工用もち米の契約数量もさらに増加すると予想されたが、実際にはそうはなっていない。農水省がまとめた30年産加工用米の取組み認定数量によるともち米は面積ベースで9823ha、数量ベースで5万4851tである。29年産との比較では面積ベースで1723ha数量ベースで9364tも減少している。加工用もち米の一大産地である秋田県大潟村は加工用米の作付を一気に950ha減らして2737haに縮小した。作付を増やしたのは多収の業務用主食用米である。大潟村に限らず30年産米は業務用米の不足が喧伝され、加工用もち米より手取りが増えると見込まれていた主食用米に生産をシフトした結果がこうした認定数量に現れている。大潟村の場合、加工用米を作るか主食用米を作るかの分岐点は10a当たり14万円。反収10俵であれば1俵1万4000円になり、多収穫米で主食用に1俵1万3500円で販売出来る契約があれば、助成金を含めた加工用米の手取りより有利になるという計算。全国平均的な手取り比較をすると主食用米が29年産並みの価格(1俵1万4343円)で販売出来れば、流通経費を除くと生産者手取りは1万2843円~1万2643円になるが、加工用米は販売価格9500円プラス助成金2000円で、合計1万1500円だが、流通経費(700円程度)を差し引くと1万円程度にしかならない。生産者が同じコメを作るのなら制度上最も手取りが良いと見込まれるコメを作るのは至極当然である。
 このことが需要者にどのような影響を及ぼすかというと、加工用もち米を契約出来なかった実需者は一般生産のもち米を手当てしなければならないが、30年産もち米は冒頭に記したように作付が減少、市中相場が大幅に値上がりしており、コスト高になることは避けられない。もう一つはMA枠で売却されるタイ産もち精米をt11万円台で購入することになる。結局、国内での外国産もち米のシェアが拡大する。

 

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