【原田 康・目明き千人】安倍内閣の政策は自民党の政策である2018年11月22日
安倍内閣の農業政策は間違っている、困ったものだと思っている人も選挙となると自民党の先生方に投票する。このことの方が困ったものだ。
安倍首相は、このところ自由貿易の推進と名の付く国際会議に飛び回っている。開かれた、公正な、自由貿易を拡大することこそ各国の発展とばかりに自由貿易の推進の立役者ぶりを発揮している。ASEANはもとよりオーストラリア、ニュージーランドからEUとは多国間協定であるが、アメリカとは2国間協定も受け入れている。
これらの国は日本から自動車や工業製品を輸入する見返りに日本のマーケットは農産物である。貿易の拡大を妨げている障壁をお互いに外す議論であるが、その国が狙っている品目を見ると日本は農産物がターゲットとなっている。
日本の畜産農家は、現在でもトウモロコシ、大豆、小麦など飼料の原料をほとんど輸入に頼っているが、それらの原料穀物を輸出をしている同じ国が肉や加工品の輸出の拡大を狙っている。
スーパーの売り場を見ると、牛肉、豚肉、鶏肉などはこんなに世界の各国からも来ているのかと改めてグローバルとは何かを再認識できる。品質を棚上げして価格だけを比較すると国産の約半値である。100gの単価を比較するとよくわかる。さすがに牛乳は100%国産であるが、これもやがては外国産のロング・ライフ牛乳に売り場を占領されることになる。
アジア各国のスーパーの売り場を見ると、牛乳はほとんどがニュージーランドのロング・ライフである。
日本の農業、小規模の家族農業は生産性が低く国際競争力もなく、GDPにも役に立たっていないのでこれを大規模、企業的経営の近代的な農業への転換が必要であるが、これを妨げているのが農協組織だ。これを転換させることが安倍内閣、政府・自民党の政策である。
マスコミも安倍内閣ヨイショの応援団となっているので、一般の人があまり詳しい知識のない農業や農協がいかにも遅れた産業と組織という記事で世論を誘導する。
日本の有権者は、太平洋の向こうの国の有権者とは違い"目は節穴ではない"を選挙で証明することだ。
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日