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【JCA週報】故今村奈良臣氏「JAほど人材を必要とする組織はない」2020年3月9日

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 「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 本田英一日本生協連代表理事会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
 今回は、故今村奈良臣先生の「JAほど人材を必要とする組織はない」です。
 当機構の前身であるJA総合研究所において、今村先生は所長として「研究所」と呼ぶにふさわしい内容と実体を備えるようご尽力をいただきました。
ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 JA研究レポート「にじ」2007年4月/創刊号
巻頭論文「JAほど人材を必要とする組織はない」

 (社)JA総合研究所 所長(当時) 今村奈良臣


今村奈良臣先生 農業ほど人材を必要とする産業はない。このような私なりの信念のもとに、今から24 年前、福島県三春町の三春農民塾の発足を皮切りに全国各地の要望で農民塾の活動を、大学での研究・教育や政府審議会の公務の合間を縫ってこれまで進めてきた。さらに6年前からは、JA-IT研究会という名の、いわば「農協塾」を立ち上げ、これまで18 回にわたる公開研究会と3 回の専門研究会を開催してきた。JA-IT研究会はどこからも財政的支援を受けているわけではなく会員自らの身銭を切る勉強会であるが年々会員は増え活発な討議・研究・実践が深まっていると思う。もともと農民塾活動を進めるにあたり、自治体から基本的な支援は頂くにしても、私の信念として「自腹を切って勉強し自らを鍛えなければ人材は育たない」と実践してきたがJA-IT研究会でもその路線を貫いている。

◆人材とは何か
 では人材とは何か。簡潔に私見を述べ参考にして頂きたいと思う。分かりやすく理解してもらうために右図のような五角形を描き、各頂点に、企画力、情報力、技術力、管理力、組織力の5つの要素を示してあるが、この5つの要素の総合力を保有しているのが、人材であると私なりに考えている。簡潔にかつ分かりやすく述べてみよう。

企画力:分かりやすく言えば、種子を播く前に、売り先、売り方、売り場、買い手、売値を明確に考え構想する能力。要するに、Plan、Do、See。計画、実践、評価のできる能力。

情報力:情報力は受信力と発信力の2つの要素で構成される。受信力は先人、先学の学理や経験、実践について学ぶこと、広く社会経済の分野についての情報収集と分析を行う能力である。発信力は受信力の蓄積を基礎に広く地域や社会に対して情報の発信を行う能力。

技術力:伝統技術と先端技術の両方について勉強し多様な実践の場で生かす能力。伝統技術は数千年にわたって蓄積された先人の智恵の結晶であるが、これを身に付けいかに生かすかという能力である。先端技術については常に研究を怠らず活用する努力が必要であるが、安全性等未知数のものについては慎重でありたい。要するにこの両者を身に付けうれば鬼に金棒ということである。

管理力:管理という分野が近年急速に拡大している。国語辞典で引けば、例えば「よい状態であるように気を配り、必要な手段を(組織的に)使ってとりさばくこと」などとある。そこで図書館に行き、昭和初期の大国語辞典と改訂を重ねた最新版のそれを引き比べ、○○管理というように管理という言葉の前に修飾語がつく語彙がいかに増えたか、なぜ増えたか、どの分野で増えたか、自らの眼で確かめ、考えてほしい。それを考えるなかから管理力の必要性、重要性などを自ら習得してほしい。

組織力:現代社会では1人で行えることには極めて限界がある。とりわけ農業にかかわる分野では常に組織力が要求される。個を生かしつついかに組織的に多面的活動を行うか、ということがますます求められているのが現代社会の基本課題である。その要求される能力は多岐にわたるが「個を生かし組織力を高める」考え方で自らを磨いてもらいたい。

5要素表

 以上、各項目について簡単な解説を試みたが、重要なことは、この5つの要素の総合力であると、私は考えてきたし、また農民塾生たちに説いてきた。そこで、図の五角形の頂点を 10 点満点として、各自は各項目について何点と考えるか、農民塾の開塾式の折などに自己採点をさせ、討議を行わせ、どの能力が自分には必要か、不足しているか、などを考えるという手法を通して農民塾生が自ら学び、自分自身に正面から向き合い、自らを鍛える努力を積み重ねるよう指導してきた。

◆多様性が活力の源泉
 しかし、よほどの人でない限り、この5つの要素を満遍なくすべて8点とか 10 点を取れないだろう。そうした人はそう多くはない。

 私はかねてより「多様性のなかにこそ真に強靱な活力は育まれる。画一化のなかからは弱体性しか生まれてこない」と考えてきたし、いろいろな所で説いてきた。と同時に「多様性を生かすのはネットワークである」とも説いてきた。つまり、多様性と表現されるような個性をさらに伸ばしつつ、短所を改め、欠陥を補い、新たな創造を目指すためには、どの組織でも地域でも、優れたネットワークを創り上げるべきであると説いてきた。

 さて、JAについて考えてみよう。JAの果たすべき基本的機能は次の3点に集約される。(1)マーケティング機能、(2)コンサルティング機能、(3)マネジメント機能の3つである。この3つの機能を発揮するには、それらを伸ばす人材がますます必要とされているし、さらにこの3つの機能を統合し総括し、推進する人材をJAは必須としている。JAの盛衰は人材にある。

 
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