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【熊野孝文・米マーケット情報】モンロー主義を助長する加工用米の産地交付金2020年4月14日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

【熊野孝文・米マーケット情報】


 農水省が今年2月末現在でまとめた令和2年産米の作付意向調査によると、主食用米を増やす県はゼロだが、新規需要開拓米を増やす県は22県、次に多いのが加工用米18県になっている。新規需要開拓米のメインは輸出用米で、国が基本計画で国産農林水産物や食品の輸出額を2030年までに5兆円に増やすという大目標を掲げており、コメもこの方針に沿って輸出を増やす方向で、様々な支援策が講じられるため、それに取り組む県が増えたというのは分かるが、加工用米を増やす県が18県もあるというのは意外な感じもする。
 加工用米を増やす意向にある産地は、東日本では北海道、宮城、山形、福島、茨城、新潟、西日本では宮崎、鹿児島などが上げられている。これら増やす意向にある産地で最も意欲的な産地が北海道と宮崎県である。この2つの産地はあることで意外な接点がある。その接点については後述することにして、2つの産地がどれほど加工用米の取組について意欲的なのか見てみたい。

 北海道では、2年産加工用米作付面積を25%増の5700haにするという目標面積を掲げている。当初の水田フル活用ビジョンでは、加工用米について「主食用米の需要の減少傾向が続く中、北海道米の固定需要を確保していくため、非主食用米の取組の中心的品目と位置付ける。実需者との結び付きを強化していくため産地交付金の活用による取組みの推進と安定供給を図って行く。主力の冷凍米飯や加工米飯を中心に、焼酎原料用を中心とした低価格帯のニーズの対応なども強化するとともに複数年契約の取組みを推進する」と記していた。そのための支援策として加工用米に対して戦略作物助成金として10アール当たり2万円、プラス産地交付金を4万2000円、合計6万2000円が支払われることになっている。仮に加工用米の実需者と2年産米を1俵1万円で販売する契約を結んだとすると、10アール当たり10俵の生産量があれば、助成金を合わせて1俵1万6200円の手取りになる。4万2000円の産地交付金は上限で、全額受け取るためには省力化、低コストコメ作りのために直播やスマート農業にも取り組む必要があるが、それをクリアーすれば他の産地が羨むほどの手取りが確保できる。北海道には以前から所得が安定するとの理由で200haもの水田を丸々加工用もち米として生産していた農業生産法人もいたが、2年産から手厚い助成措置が講じられることから新たに加工用米を組織的に扱う商系業者も出てきている。

 宮崎県は元年産加工用米の面積は1199haであったが、2年産は1478haまで増えると見込まれている。これは宮崎県には大手焼酎メーカーがあり、このメーカーが国産米使用に切り替えたことからこの需要を賄うため加工用米の増産支援していることが上げられる。具体的な支援策は2年産産地交付金県枠設定では(1)加工用米、米粉用米の生産向上対策(低コスト・高品質化技術を実施)として10アール1万6000円(2)加工用米、米粉用米作付集積(生産性向上の取組みを行い、かつ対象作物を1ha以上作付)として10アール4000円(3)加工用米の県内実需者への供給として10アール1万2000円(4)加工用米新品種作付の取組み(早期水稲用加工用米専用多収穫品種「宮崎52号」の作付)として10アール3000円といった手厚い助成措置を講じることにしている。

 原料米を国産米に切り替えた焼酎メーカーは、清酒最大手を凌ぐほどの売上げを確保するまでになり、使用原料米も2万トンという大きな数量にまで増加、自県産米では足らず他県から原料米を購入していた。その中の1産地が北海道で、3000トンもの加工用米を供給していた。ところが焼酎ブームも陰りが見え、生産数量が落ち込んだことから、手持ちの原料米や特定米穀、自県産加工用米で賄えるようになったことから他県の加工用米が必要なくなったのである。このため北海道の水田ビジョンの改訂版では、当初決めた案がバッサリ削除され「焼酎用」という文言も消えたのである。

 その産地で産地交付金を得られるのは地元農業者で、他県の農業者が宮崎県の焼酎メーカーに加工用米を納入しても宮崎県の産地交付金を得られるわけではない。産地交付金の配分は地元の判断に委ねられているため「県内実需者に供給した加工用米に助成金を支給する」という方策もとれる。言い換えれば加工用米向けの産地交付金はモンロー主義を助長している代物ということも出来る。

  
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