「JAスマホ教室」のすすめ 田村政司JA全中教育部教育企画課長【リレー談話室・JAの現場から】2021年8月6日
高齢者ほど必要
スマートフォンは日常の生活、友人との交流、趣味、さらには仕事においても欠かすことができないツールとして定着してきています。今後、通信速度がさらに上がり、いつでもどこでも大容量の情報が瞬時にやりとりされる世界へと進化し続けていくでしょう。
一方で、ボタンではなく画面タッチというガラケーと異なる操作性、さまざまなアプリを使う際に必要なIDやパスワードの設定など、初めての人が誰にも教えられずに使いこなすには、ハードルが高いツールでもあります。
JA全国大会で提起
正組合員の過半が70歳以上であるJAにおいて、高齢の組合員の暮らしの守り、利便性を高めていくために、JAグループとして「JAスマホ教室」の全国普及に取り組んでいくことが喫緊の課題と認識し、29回JA全国大会組織協議案で提起しました。
都会で暮らす孫の顔をLINE電話でみて、会話ができたらどんなにうれしいことでしょうか。ちょっとした振り込みや残高の確認がJAバンクアプリで確認できたら、無理して車で支店まで行かなくても済みますし、生活用品を全国のJAサイトから注文し、JAカードで決済できるようになれば、どんなに便利でしょうか。
近くに子どもや孫がいて、スマホの使い方を親切に教えてもらえれば、それに越したことはありませんが、なかなか上手くいかないのが実情です。そこに「JAスマホ教室」の今日的な意義があると思います。
組織活動の武器に
JAにはさまざまな組合員組織があります。組織活動を支えてきた正組合員の高齢化にコロナ禍が加わり、その活動が停滞しており、アフターコロナを見据えて、活性化にむけた準備を進めていくことが必要です。
スマホはさまざまな情報検索などのほか、家族や仲間同士のコミュニケーションツールとして、その機能を発揮します。LINEで友人同士が会話し、日程調整や急な場所の変更などに柔軟に活用できますし、LINEの既読機能などは欠かすことのできないものです。
かつては直売所の欠品連絡用など、専用のシステムを準備してパソコンを設置するなど大がかかりな取り組みが必要でしたが、今では営農指導員が手分けして出荷会員を巡回し、LINEをインストールして、グルーピングをすれば、無料で即座に会員間で出荷情報のやりとりができます。
女性部の「第2の直売所」に
さまざまなアプリが日々開発されていますが、特に注目されるのは、JA女性部活動に役立つと想定される「メルカリ」などのいわゆるフリマアプリです。女性部では、エプロンやマスクなど手作りの手芸品を直売所で売ったり、福祉施設に寄付している活動が多くみられます。
フリマアプリでは、中古品と併せて手作りのグッズが多く販売され、アイデアと品質いかんでは、思わぬ高値で取引されたりもします。例えば小さな犬の洋服などは大人気ですが作り手が少なく、ペットマーケットとして成長が期待されています。
女性部活動の特徴の一つは、個人ではなく仲間同士が学び合い、教え合いながら品質の高い手作りの商品をつくっていくところにあります。まさに、アイデアと技術研鑽によって、フリマアプリの担い手として成長することが予想されます。「第2の直売所」のような感覚で受け止めていただければと思います。
サポート体制整備
高齢組合員のスマホスキルの修得を喫緊の課題としてとらえ、JA全中・農林中央金庫とNTTドコモ、ソフトバンクは、連携してJAがスマホ教室を開催する場合の支援体制を整えました。具体的には、両社がJA専用の相談・申し込み窓口を設置し、JAから電話やメールでスマホ教室開講の意向を伝えると、開講に必要なアドバイス、入門・基本・応用編など、参加者のレベルに応じた講座の提案とインストラクターを派遣する一連の体制を整備しました。
JAとしては、女性部や年金友の会、生産部会などに情報提供し、希望があればおよその人数と日時を両社いずれかに連絡すれば、全国にまたがる両社の支店が間に入り、インストラクターを要する地域のショップスタッフがきめ細かな対応をします。年度内にまずは試しに1回やってみることをお勧めします。
全中・農林中金では、1年以上かけて両社にJAの実情や教室の意義を伝え、体制整備への協力をお願いしてきました。今後は全国で展開されるJAスマホ教室の中から、地域の実情を踏まえた創意工夫ある取り組みについて情報を収集し、日本農業新聞や「家の光」を活用し、全国各地の元気な情報の発信に努めていきたいと考えています。
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