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相次ぐ農林議員引退 農政調整役不足に懸念も【記者 透視眼】2021年10月18日

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衆院選は19日公示、31日投開票で、早くも与野党激突の様相だ。その陰で農林議員の引退も相次ぐ。今後は、円滑な農政推進に向け、〈調整役〉不足の懸念もある。(敬称略)。

■保守分裂回避の末に
国政選挙の際には公認争いがつきものだ。特に小選挙区制度の衆院選はなおさらだ。

自民党内で複数候補が立てば保守分裂となり、選挙結果に禍根を残す。一方で野党は統一候補で臨まなければ、とても現在の巨大与党・自公政権には歯が立たない。
今回の立候補断念、引退と絡めれば、農政にも関わりの深い川村建夫は典型だ。山口3区で当選10回を重ねた自民党二階派の重鎮だ。元農相・林芳正の参院から衆院へのくら替えで「保守分裂選挙を避ける」として結局、引退に追い込まれた。岸田政権発足に伴う二階俊博幹事長の交代など派閥抗争の影響を受けた。林は農政に加え国際問題や経済政策に詳しい政策通で、将来の首相の座を目指す首相派閥・岸田派の幹部だ。

■コメ政策プロ不在
自民党で長年、主要な農業政策を担ってきた宮腰光寛も6月、突然の引退を表明。農業関係者に驚きが広がったが、先の川村同様に保守分裂回避が理由だ。選挙区内の調整が付かなかった。
米どころの富山2区で当選8回の岸田派ベテラン議員で、生産費など数字に精通し農水省の事務方とも互角以上にやり取りできる知識を持つ。特に農政の根幹であるコメ政策と農地政策に精通し、水田農業で飼料用米の補助金制度設計に尽力した。沖縄などの離島問題、サトウキビ、北海道のテンサイの甘味資源作物振興にも熱心に取り組んだ。内閣改造のたびに農相有力候補に挙がったが結局、かなわないまま代議士バッジを外した。

いわばコメ政策のプロだ。京都大法学部出身で論理的に話し説得力があった。よく、自民党農林合同会議でも、事態が紛糾するとこれまでの議論を理論立てて整理し、打開する調整力には定評があった。国対委員長を務めた森山裕とともに農林幹部インナー会議の主要メンバー。コメ需給問題は今後、具体策を練るが宮腰不在は農政の調整役に大きな穴が空くことも意味する。
元農相では、最後まで農村に愛着を持ち続けた当選12回の大島理森衆院議長も引退した。

■与党・公明の重鎮二人も
今回の衆院選は、4年間の安倍、菅、岸田政権の功罪をも問うものだ。行き過ぎた「官邸農政」に懸念を持ち、農業団体の意見にも積極的に耳を傾けた与党・公明党の二人の重鎮農林議員も引退する。9年間も公明党幹事長を務めた井上義久と、政調会長や農政責任者を担った石田祝稔だ。
東北ブロックの比例代表選出の井上は、温厚な性格で与党内のまとめ役に適任だった。四国ブロックの石田はバイタリティーあふれ、よく全中などの農政全国集会では農業者擁護の演説をぶった。
公明党は東京発祥の政党で、都市型政党の色彩が強かった。だが近年、農村への浸透と農政確立にも存在感を増してきた。井上、石田はその代表的な農林族だ。9年前の自民党の政権奪還に伴い民主党の看板政策・コメの戸別補償制度で10アール当たり単価1万5000円の扱いを巡り、与党内で意見調整に手間取ったことがある。
宮腰をはじめ自民農林幹部は、民主党農政の一掃を目指し1万5000円の即時全廃を主張。これに対し公明党は、農家の手取り減少に結び付きかねないと段階的解消の激変緩和論を展開。結果、半額の7500円を当面残すことになった。井上、石田など公明農林幹部の頑張りが大きかった。
この二人が国会から去り、農政の〈調整役〉の人材不足の影響がどうなるか注視が必要だ。

■民主農政の立役者も去る
存在感を示した野党の農林幹部も国会を去る。

愛知5区で当選10回の赤松広隆衆院副議長は、旧社会党で書記長、旧民主党で農相などを歴任した。1993年の細川非自民連立政権、2009年の民主党政権という2度の政権交代に関わった歴史の証人でもある。
農相時代は当時の農水事務次官の反対などを押し切って戸別所得補償制度の予算を大幅に増やし、マニフェスト実現する。減反反対の秋田・大潟村に乗り込み、コメの生産調整理解に尽力した行動派の側面もあった。リベラル派を自認した。

野党の農林議員のまとめ役を担ってきた北海道4区の立憲民主党・佐々木隆博も引退する。民主党政権では農水副大臣で農政推進に務めた。
同選挙区は道内でも有数のコメ地帯で、自民党議員と激烈な一騎打ちに勝ち残ってきた。地元JA関係者は、表向きは自民党支持だが、実際は佐々木支持者も多くいた。北海道は旧社会党、旧民主党を支えた北海道農民連盟(道農連)の影響力が強く、地元を取材すると「人柄が良く農政に懸命だ」との佐々木の評価をよく聞いた。
農政に精通してきた佐々木の引退も立民のみならず、野党の農政立案、推進に影響も大きいはずだ。

■「政治とカネ」で消えた幹部
今回の引退とは別だが、長年、自民農林インナーメンバーとして権勢を誇ってきた元農相の二人を忘れてはならないだろう。 
北海道2区の吉川貴盛と栃木2区の西川公也だ。「政治とカネ」に沈み、議員辞任や立候補断念、政界引退に追い込まれた。西川はTPP推進やJA全中の農協法外しなど農協改革にも深く関わった。吉川は北海道の利害を代弁して、加工原料乳価決定など酪農問題にも大きな発言力を持った。

北海道、関東の自民農林幹部の抹消は、党内の地域バランスにも影響を及ぼす。今は鹿児島4区選出の元国対委員長・森山をはじめ、宮崎の江藤拓元農相ら「九州突出」が目立つ。地域バランスは作目のバランスとも表裏一体の関係を持つ。九州は畜産県が圧倒的に多い。コメは東北、関東が中心だ。
31日の投開票の当落を経て、新たな農林幹部が選ばれる。岸田が仕掛けた最速総選挙の結果がどう出るか。今後の農政運営にもさまざまな影響を及ぼすはずだ。

(k)

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