「ゆ党」の台頭【森島 賢・正義派の農政論】2021年11月1日
コロナが終息する気配がある中で行われた総選挙の結果は、与党の過半数維持という結果になった。野党共闘の結果も、それなりの成功をおさめた。
注目点は、「ゆ党」の躍進である。「や党」でもなく、「よ党」でもなく、その中間の「ゆ党」の躍進である。「ゆ党」とは、「維新」と「国民」のことである。
与党には投票したくない、野党ももの足りない、という人が「ゆ党」に投票した。その結果、「ゆ党」のそれぞれが議席数を増やした。
これは、何を意味するか。
上の図は、「やゆよ党別の当選数である。注目されるのは、野党の当選者のうちの3分の1が、「ゆ党」で当選したことである。つまり、野党が「や党」と「ゆ党」に分裂したことである。
◇
さて、総選挙の争点は何だったか。第一はコロナだった。コロナで多くの国民が犠牲を払ってきた。それが、終息したわけではない。
コロナ禍は、100年に1度といわれる災禍である。それを、どう修復するか。そして、今後に予想されるコロナ禍にどう対処するか。それが、最重要な争点だった。
しかし、各政党は、この最重要な政治課題に対して、どんな政策を公約したか。この点を曖昧にしたままで、選挙戦を戦った。国民は、こうした状況のもとで選挙した。その結果が上の図である。
◇
問題は、コロナ禍が弱者に対してことに過酷だ、という点にある。そして、これまでの弱者と強者の分断を、さらに深刻化した、という点にある。
この分断の深刻化を、どのようにして修復するか。これが、いまの政治の最重要な課題である。
◇
各政党は、コロナ禍による国民の分断を解消するために、強者に何を求めるか。弱者に何を約束するか。それを曖昧にしたままでは、国民は選挙のしようがない。
コロナ禍を修復するまでには、これからも長い年月がかかる。次の国政選挙は、9ヵ月後の参院選である。各政党はコロナ対策と分断修復策を具体的に、かつ鮮明に示して、国民に賛否を問わねばならない。
(2021.11.01)
重要な記事
最新の記事
-
准組合員問題にどう向き合うか 11月15日に農協研究会開催 参加者を募集2025年9月16日
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日