ご飯をしゃりというのは何故か【原田 康・目明き千人】2021年12月4日
炊き立てのご飯を茶わんに山盛りにした「銀シャリ」はそれだけでごちそうです。
白米のご飯を何故しゃりというか。「しゃり」はインドの仏教用語である梵語の「舎利」からきた言葉です。舎利は火葬をされたお釈迦様の骨のことで、細かく砕いたのが米粒に似ているところから来ているとのことです。
仏舎利は輪廻(りんね)の教えによると、いろいろなものに形を変えて五穀にもなり人を助けるものと考えられました。ご飯を主食としている日本ではこぼしたり、食べ残すことは仏様の罰が当たると子供のころからしつけられました。(「つい誰かに話したくなる雑学の本」講談社α文庫による)。
パンも多くの国で主食ですが主な材料は小麦粉でこれにいろいろなものを混ぜて作ります。同じ主食でもお米だけで炊いた銀シャリとは感覚が違うのは日本の文化というものでしょう。
米を原料とした日本酒の話題をひとつ、「灘の生一本」の生一本とは何か。先の「雑学の本」によれば「生一本」の表示を使用するには日本酒造組合中央会で定めた品質基準に合致するお酒で、米と米こうじだけを原料とする、水を一切加えない、自分の蔵で造った自醸造酒であること、つまりアルコールや糖分を加えず他所から買った酒も混ぜないという文字通りの「生一本」ということです。
さらに、水田は自然のダムとして水害などから環境を守ってくれます。整備された棚田は農村の原風景です。
ご飯、日本酒、お菓子等原料の米もそれぞれの時代の経済、社会の状態によって需要量が変化してコメ余りとなったり不足したりで需要と供給をコントロールするのが農政の役割となります。
水稲の栽培、収穫を「市場経済」のGDPや単位面積や労働力の生産性で評価して国際競争力で負けないというのも時代の要求でしょう。お釈迦様も見守っておられます。
(原田 康)
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