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【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】日本人は無関心で食べ続ける不思議~台湾で国論二分の米国産豚肉めぐる住民投票~2022年1月6日

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台湾で2021年12月18日に、2020年に解禁したラクトパミン(餌に混ぜる成長促進剤)を使用した(米国産)豚肉輸入を再び禁止することについて賛否を問う住民投票が実施された。賛成が優勢と見られていたが、米国追従派が猛烈な巻き返しに成功し、否決された。最大野党・国民党が発起したのだが、米国との関係強化を進める与党・民進党の蔡英文政権の米国に「忖度」する方針が支持される結果となった。

しかし、これだけ台湾で国民的問題になっているラクトパミン使用の米国産豚肉について日本人は「無関心」に摂取し続けているという不思議な光景がある。日本では、国内ではラクトパミンの使用は認可されていないが、輸入肉については、実質的にザルになっている。台湾はついに米国に「忖度」したが、日本はずっと前から「忖度」し続けてきた。

ラクトパミン使用の豚肉をめぐっては、その肉や内臓を食べて中毒症状を起こした事例も報告されており(※)、EUだけでなく、中国、ロシア、台湾は早くから国内使用も輸入も禁止してきた。

台湾は2012年7月、世界の安全性基準とされるコーデックス委員会が採択した牛肉のラクトパミン最大残留基準(MRL, 0.01ppm)を採用しても、人の健康に危害を及ぼすリスクはないとし、MRLを牛の筋肉中のみ設定した。MRLが設定されたのは牛肉のラクトパミンのみで、牛の内臓、豚肉、豚の内臓等は、従来どおり、ラクトパミンの残留は認めていなかった。2012年当時のデモの画像が台湾国民のラクトパミンへの拒否反応の大きさを如実に示している。

出所-China-Smack-2012年3月10日出所: China Smack 2012年3月10日

しかし、米国はラクトパミン使用の豚肉輸入を認めるよう数十年間にわたって台湾に働きかけ、蔡政権は2020年、輸入解禁を決めたばかりだった。中国が台湾への圧力を強める中、米政府の支持を維持することは不可欠になっており、再禁輸が可決されれば、蔡政権は米国との関係を損なっても住民の意思を尊重するか否か、厳しい判断を迫られることになっていたが、その事態は免れた(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-19/R4C4Z4DWLU6D01)。

なお、ラクトパミンのコーデックス基準については、牛肉の肥育ホルモン、乳牛の成長ホルモンと同様に、投票で安全基準が決まるという異常な事態になっていたことも忘れてはならない。つまり、米国企業などのロビー活動によって緩い安全基準が勝ち取られたのである。政治的に決まる国際的安全基準を厚労省から派遣されていた日本の専門家も疑問視していた。

このように、ラクトパミンの問題は、世界的に大論争になっている食の安全性をめぐって、ほとんど話題にもならず、米国産豚肉を受け入れている日本人の奇妙さを浮き彫りにしている。しかも、国際的安全基準は投票により政治的に決まっているという現実もある。我々は無関心でよいのだろうか。

※参考URL
http://www.fsc.go.jp/sonota/clenbuterol.pdf

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

鈴木宣弘・東京大学教授のコラム【食料・農業問題 本質と裏側】 記事一覧はこちら

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