77年は喜寿の年【原田 康・目明き千人】2022年8月15日
昭和20年(1945年)8月15日から今年は77年、この日が誕生日の人は喜寿のお祝いとなる。日本の国を喜寿のお祝いをするにはやや異論もあろう。
戦後の混乱の時代から1961年の経済白書の「もはや戦後ではない」から1970、80年代の高度成長で所得も倍増となり生活も豊かになったが、あまりに急いだためか2008年のリーマン・ショックの反動など、失われた20年という時代を経て現在のキャッチフレーズが「新自由主義」「グローバリズム」「金融資本主義」「デジタル資本主義」の時代となった。
農業、食料という面から見ると、社会の安定のために政府がコメを全量買い取り配給をした「食糧管理法」の時代から政治、経済の構造変化に合わせて今日の姿となった。農業という産業を見ると、戦後の混乱から今日までの農家の努力と関係する皆さんの支援と協力によって、栽培をする作物、品種、栽培技術は飛躍的な発展をしているが農業は日本の土地、気候の制約との共存という基本の姿は変わらない。
例えば、気候に関する情報、天気予報を見るとこの70年間の予報の技術や情報の精度、発信の方法は革命的と云える進歩があり農家の皆さんおお助かりである。
しかし、予報の精度は上がっても気象そのもの、低気圧、高気圧の強さを変えたり、台風の進路変更をする技術はまだないし、技術的に超大型のドローンを使って台風の進路を変更することが出来るようになっても進路の変更による利害は複雑で、天災であれば受け入れざるを得ないが人がコントロールをしたとなれば大騒ぎとなる。
日本という国の土地、気候のプラス、マイナスの制約はあるが、自然との共存で食料と環境など多面的機能を持つ日本の農業は安定をした社会の基本である。沖縄から北海道まで南北に長い列島で四季がはっきりしている。コメ、野菜、果実、花き等の収穫時期が約3カ月毎に北上する。
山、山林、田んぼ、住宅の棚田の風景は日本の原風景である。これを守っている人たちに喜寿のお祝いを。
(原田 康)
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