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「フロント・ライン」を強くすれば、実績は上がる!【JAまるごと相談室・伊藤喜代次】2022年9月20日

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本店・本部は「バック・ライン」の役割を発揮しよう!

A・ライフ・デザイン研究所 代表 伊藤喜代次A・ライフ・デザイン研究所
代表 伊藤喜代次

金融や小売り、流通、医療などサービス業が成功する第1の条件は、消費者や顧客との接点(店舗など)で仕事をするスタッフの力にある、といわれています。もちろん、企業サイドの方針や戦略、さらには、具体的な商品やサービスが、いかに消費者の期待や欲求にマッチしたものかどうか、も重要な要素です。

この消費者と接し、商品やサービスを提供する店舗やスタッフなど最前線のことを「フロント・ライン」と呼びます。また、企業の方針や戦略を立て、市場や消費者のニーズにもとづく商品やサービスを提案していく本部機能を「バック・ライン」と呼びます。

私は、サービス事業を行う企業には、このフロント・ラインとバック・ラインの大きく2つのライン(部署)が存在し、この2つのラインが市場や消費者に対して的確な連携とコミュニケーションによって実績を重ねていくと考えています。仲間のコンサルタントにも、この2つのラインの話をして共感を得ていました。

余談ですが、このフロント・ラインとバック・ラインと呼ぶことになったのは、30歳の頃のある取材での偶然的な経験から生まれたものです。それは、チーム取材の一員(嘱託)として出かけたスイスのレマン湖畔にあるリゾート都市で、毎年、開催されるモントルー・ジャズフェスティバルでした。

コンサート劇場の裏方で、働いているスタッフへの取材の際、彼らが揃いのTシャツを着ていたのですが、その背中に「BACKLINE」と書かれていました。彼らへの取材で、バック・ラインとは、ギターやサックス、キーボードなど、ステージ上でスポットを浴びるミュージシャン、楽器の音を聴衆に届けるアンプのような役割を意味するというのです。

さらに話を聞くと、バック・ラインである裏方スタッフは、「フロント・ラインでスポット浴びるミュージシャンの演奏力を引き出し、事前の準備からトラブルのサポートなどを通じて、最高のコンサートにすることだよ」と言います。彼らのなかにはボランティアも多いようです。

いずれにしても彼らバック・ラインの存在や行動は、サービス業に置き換えて、最前線で働くフロント・ラインのスタッフが最高の仕事ができるようにバックアップする本部や本店のスタッフ、いわゆる、バック・ラインの存在としてイメージできたのです。

フロント・ラインの実績は、バック・ラインのサポートとともに

私は、サービス業の重要な課題は、顧客との「関係」を、いかに強く、長く、つくりあげることができるかにあると考えてきました。フロント・ラインという顧客接点での仕事は、いかに顧客との信頼と満足の関係、言い換えれば「顧客ロイヤルティを高める」ことでしょう。これが、フロント・ラインの使命です。

ところが、とかくフロント・ラインのスタッフの個人的な資質が問われたり、笑顔や態度、顧客コミュニケーション、商品知識など、細かく評価する企業もありますし、営業実績と合わせて評価されるケースも多いように思います。しかし、評価の前に、どのようにフロント・ラインのスタッフを育て、日頃からサポートしているか、が重要です。

私の少ない経験ですが、デパートの1階に店を構える化粧品メーカーのデパートコスメのスタッフであるBA(ビューティー・アドバイザー)の顧客情報管理の手伝いをしたことがあります。感心したのは、彼女たちの閉店後のミーティングです。本社メーカーの商品開発や営業部門のスタッフを迎えての会議や研修ですが、女性たちの前向きな姿勢と研究熱心さには驚きでした。

このフロント・ラインとバック・ラインの連携が価値ある顧客を創造するのです。デパートの1階は化粧品メーカーにとっては戦場であり、新商品の投入、多様なセールス方法の開発など、一人の固定顧客をつくることで、生涯顧客価値(LTV=ライフ・タイム・バリュー)は、個人差がありますが、高い女性では数千万円ともいわれます。想像を超えるマーケットの大きさ、奥の深さを再認識したものです。

ところで、JAは、支店や事業所などの店舗において、事業別に担当職員が配置されています。ちょっと大きな支店には、窓口に金融課、共済課、融資課が置かれ、ほかに、渉外課、組合員課といった部署も見受けられます。毎日、決められた業務を淡々とこなし、来店する顔なじみの組合員と会話を交わす。デパートコスメのような戦場などと考えるJA職員はいないでしょう。

でも、それで良いでしょうか。私は、JAの強みである「総合事業」を活かすためには、支店や事業所内の縦割り、事業の個別化には疑問をもっています。本店や本部の方針や意向を体現する事業体制は、昭和の時代の事業体制のように思うのです。「組合員中心の総合事業体制」の研究や検討を急いでほしいと願っています。

そのためには、本店・本部と支店・事業所の連携は欠かせません。現場を知り、現場で相談し、現場で活動方法を検討するバック・ラインの機能を発揮してほしいですね。

マニュアルや事務要領を渡して、現場職員をほったらかしにし、「なぜ実績が上がらないのだ!」、「なんで目標達成できないんだ!」と現場を責める本店・本部職員はいませんか? 目標が達成されない責任の半分は、本店・本部にあるのですよ。

◇   ◇

 本コラムに関連して、ご質問、ご確認などがございましたら、お問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。コラム内又はメールでお答えします。

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