シンとんぼ(11)化学肥料使用量の30%低減(2050)③2022年9月24日
シンとんぼは、農業現場でも十分に実践が可能で、環境影響が正しく低減され、国産農産物の生産が向上して、国民の胃袋を国産で賄える状態になることを切に願いつつ、「みどりの食料システム戦略」に掲げられたKPIに切り込んでみている。
みどり戦略で定められたKPIについて、「単なる努力目標で、明るい未来のために到達したらいいなというとりあえずの方向性を示したものだ。達成率を追いかけることはしない。」と、とある「みどり戦略の説明会」で農水省が述べたとシンとんぼは聞いた。
これは、法制化される以前の発言のようなので、今も同じ認識なのか聞いてみたい気もする。しかし、過去の農水省の政策には、食料自給率の向上をはじめとして、今だ達成できていない「単なる努力目標」的なものが多いのも事実なので、今回のみどり戦略KPIも努力目標程度に軽くとらえることができれば、農業現場は随分と楽になるんじゃないかな。なぜなら、前回も述べたとおり、肥料関係はここ20年で、つまり、「みどり戦略」が出される以前から綿々と環境影響に配慮した取り組みがなされ、成果が出ているからだ。
KPIを設定するなら、こういったこれまでの努力を正しく評価した上で、それでも取り組みが抜けていた点や足りていない部分を抽出し、その部分に焦点を当てたものにするべきである。
そもそもKPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字をとったもので、重要業績評価指標と訳されているものだ。つまり、重要な業績目標を達成するまでの過程における達成度を把握するための指標のことを指しており、目標達成に必要となる行動が適切に行われているかを数値化して評価するもので、単なる努力目標につけられるものではないと思う。
決め方についても、今回のような上位下達で示して終わりのような性格のものではまずいと思う。なぜなら、KPIは、実行部隊が自分のものとして認識しそれに向かって努力することで初めて効力を発揮していくものなので、KPIの決定にあたっては、現状を正確に分析し、組織を挙げて目標達成のために何を為すべきか十分に議論した上で決定し、実行部隊が到達目標として認識できるものでなければ意味がない。
特に化学肥料は、日本国を挙げての目標である食料自給率向上に不可欠な資材であり、大きなメリットを生み出す重要な資材であることを再認識し、その上で環境影響の少ない正しい使用方法をきちんと示すべきである。決して、単純に30%減らせばいいだろう的な決め方でKPIを設定してほしくないし、30%減に正しい根拠があるのであれば、早急に国民に示し、理解してもらう努力を国はすべきであるとシンとんぼは思うのだがいかがだろうか。
重要な記事
最新の記事
-
【欧米の農政転換と農民運動】環境重視と自由化の矛盾 イギリス農民の怒りの正体と運動の行方(2)駒澤大学名誉教授 溝手芳計氏2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2024年4月26日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内で多発のおそれ 熊本県2024年4月26日
-
【注意報】核果類にナシヒメシンクイ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年4月26日
-
【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年4月26日
-
「沖縄県産パインアップルフェア」銀座の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年4月26日
-
「みのりカフェ博多店」24日から「開業3周年記念フェア」開催 JA全農2024年4月26日
-
「JAタウンのうた」MV公開 公式応援大使・根本凪が歌とダンスで産地を応援2024年4月26日
-
中堅職員が新事業を提案 全中教育部「ミライ共創プロジェクト」成果発表2024年4月26日
-
子実用トウモロコシ 生産引き上げ困難 坂本農相2024年4月26日
-
(381)20代6割、30代5割、40/50代4割【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月26日
-
野菜ソムリエが選んだ最高金賞「焼き芋」使用 イタリアンジェラートを期間限定で販売2024年4月26日
-
DJI新型農業用ドローンとアップグレード版「SmartFarmアプリ」世界で発売2024年4月26日
-
「もしもFES名古屋2024」名古屋・栄で開催 こくみん共済coop2024年4月26日
-
農水省『全国版畜産クラウド』とデータ連携 ファームノート2024年4月26日
-
土日が多い曜日まわり、歓送迎会需要増で売上堅調 外食産業市場動向調査3月度2024年4月26日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 一時輸入停止措置を解除 農水省2024年4月26日
-
淡路島産新たまねぎ使用「たまねぎバーガー」関西・四国で限定販売 モスバーガー2024年4月26日
-
持続可能な発展に向けた対策は「生物多様性の損失抑制」「生態系サービス向上」2024年4月26日
-
ニッポン全国めん遊記「7月7日はそうめんの日」乾めん220人にプレゼント 全乾麺2024年4月26日