シンとんぼ(14)耕地面積に占める有機農業の割合を25%に拡大(2050)③2022年10月15日
シンとんぼは、農業現場でも十分に実践が可能で、環境影響が正しく低減され、国産農産物の生産が向上して、国民の胃袋を国産で賄える状態になることを切に願いつつ、「みどりの食料システム戦略」の環境保全戦略の3つ目「有機農業を100万haに拡大」というKPIに切り込んでいる。
前回の最後に、農業分野でいうところの環境とは、田んぼや畑、その周りの山林、河川、用水路、ため池、湖沼、人間の生活圏を含めた「栽培環境」であると定義したが、これは環境省自然観光局がすすめる「里地里山」の定義と同じである。
国のホームページによると、「里地里山とは、原生的な自然と都市との中間に位置し、集落とそれを取り巻く二次林、それらと混在する農地、ため池、草原などで構成される地域です。農林業などに伴うさまざま人間の働きかけを通じて環境が形成・維持されてきました。里地里山は、特有の生物の生息・生育環境として、また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも重要な地域です。しかし、里地里山の多くは人口の減少や高齢化の進行、産業構造の変化により、里山林や野草地などの利用を通じた自然資源の循環が少なくなることで、大きな環境変化を受け、里地里山における生物多様性は、質と量の両面から劣化が懸念されています。」とある。
シンとんぼは、前回から有機農産物を普及することの良し悪しを客観的な検証を行っており、最初の疑問が「有機農業は環境にやさしいのか?」であった。これに対する回答は、有機農業を正しく行うことは、自然資源の循環を促進し、里地里山の環境を保全することでもあるといえ、有機農業が環境に悪影響を与える事項は見いだせなかった。あるとすれば、水田や家畜から発生する温室効果ガスの排出や肥料分の河川等への流出による富栄養化といった環境影響も考えられるが、前者は一般農法でも起こり得ることであり、後者については一般農法よりも流出量が少ないと考えられ、有機農法を行ったがために起こる環境影響とはいえないだろうな。
長々と回りくどくなってしまったが、シンとんぼも里地里山が大好きなので、ぜひ全国的にも保全や正しい管理がなされていくとありがたいと思う。実際に国は、その維持・活用促進に取り組んでくれているので、これからの取り組みの加速化を期待したい。
次回は有機農産物の安全性を検証してみようと思う。
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