【JCA週報】協同の視点から立て直す地場産業(松澤瞬)2023年1月30日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中代表理事会長、副会長 土屋敏夫日本生協連代表会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、本機構の協同組合研究紙「にじ」の最新号である2022年冬号に寄稿いただいた「協同の視点から立て直す地場産業」です。
松澤瞬氏
合同会社SCOP代表、NPO法人みなみあいづ森林ネットワーク事務局
1.はじめに
2.南会津町の林業
3.NPOの設立
南会津地域を支えていた林産業は社会の変化や多角的な要因によって、「木の町」として栄えていた面影は薄れつつあります。素材生産量の激減に加え、林産業従事者の減少(多い時で約75社だが現在では13社程度まで減少したことに加えて現在は高齢化や後継者不足が深刻な課題)、木材価格の下落など顕著に表れています。
さらには2011年福島第一原子力発電所の事故により「福島県産」の木材・林産物の出荷制限がかけられたり、消費者による購買回避が発生するなど、何重もの課題が蓄積されています。
これらの影響は産業そのものの衰退にとどまらず、森林環境の荒廃や社会問題(少子高齢化や過疎化による産業との相乗の悪影響)までも危惧されています。
「このまま衰退へ進む地域を黙って見過ごすわけにはいかない、川上・川下関係なく手を取り合わないと!」と発起し、2008年頃より南会津地域の林産業関係者20の法人・個人で任意団体を立ち上げ、南会津の森林の将来像について議論してきました。
2013年に、より具体的な事業の活性化に本腰を入れるため(2011年東日本大震災が大きく影響)、当NPO法人が設立されました。現在では賛同者も増え、行政機関や大学等の研究機関も加わり33の組織・個人が加盟しています。
4.NPOを基軸とした地域サプライチェーンの構築
当NPOは加盟する民間事業者同士や産学官を繋げるハブ機能を担っています。地域の事業者同士でネットワークを作り、地域が一丸となって森林の利活用と木材の流通活性化に取り組もうという目的を持っています。さらには林産業活性化のための共通認識として4つの視点を持っています。
①木材の流通量拡大「消費出口の確保から考える」、②小規模事業者同士の連携「組むことで課題を補完し合い個性を発揮」、③木材への付加価値「丸太ではなく製品化」、④森林資源の新しい視点「新しい活用と多面的活用」のもとに事業を展開しています。
地域の現況と合わせて具体的に説明します。
以下の章立ては下記のとおりです。JCAのウェブサイトにて全文を掲載しておりますので、ご覧ください。
5.NPO の業務
6.森林資源のカスケード利用
7.次の新たな展開「広葉樹」
8.最後に-地域サプライチェーンの集大成-
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