シンとんぼ(29)スマート農業は役に立つのか?③2023年2月4日
シンとんぼは、前々回からスマート農業をテーマにして戯言を綴っている。では早速、スマート農業にどんなものがあるのかピックアップしてみよう。
現在のスマート農業技術の全貌は、農水省のホームページに詳細が出ているので、これをもとにまずは勉強させてもらっている。詳細をご覧になりたい方は、下記URLを参照してほしい。(注)
まずはこのページの利用上の注意から。このページによると、「スマート農業技術カタログは、現在開発または販売されているスマート農業技術について、農業現場に広く知ってもらうことを目的としたものであり、技術の効果等を農林水産省が確認・認定するものではありません。」とし、耕種農業の分野では、利用者の参考情報として5つのカテゴリーに分けて掲載してある。
1つ目が、「経営データ管理」に利用するもので、資材や売上、労務等の管理を行う技術。2つ目が、「栽培データ活用」に関するもので、気象や熟練農家のノウハウ等の栽培に関するデータを活用する技術。3つ目が、「環境制御」に使用される技術で、水田の水管理や畑のかん水、園芸ハウスの温度管理等を行う技術・4つ目が、「自動運転・作業軽減」に役立つもので、自動で作動するロボットや機械の運転アシスト、農作業の軽労化等を行う技術。最後の5つ目が、「センシング・モニタリング」に使用されるもので、作物や環境等の状況についてデータを提供する技術だ。これらの合計で313の技術が掲載してある。
これらを前回紹介した「スマート農業の3つのメリット」にざっと当てはめてみると、メリット①「農作業の省力化・労力軽減が図られること」に役立つのが、「自動運転・作業軽減」、「センシング・モニタリング」といった技術、メリット②「匠の技の伝承に一役買うこと」に役立つのが、「栽培データ活用」、「環境制御」、「センシング・モニタリング」といった技術、メリット③「農業生産振興に役立つこと」に役立つのが、「経営データ管理」、「栽培データ活用」、「環境制御」、「自動運転・作業軽減」、「センシング・モニタリング」となる。
こうして並べてみると、スマート農業カタログに記されている技術は、いずれも、スマート農業のメリットのいずれかもしくは複数に役立つものであることがわかる。例えば、環境制御に分類されている「水田の水管理」の技術は、匠の水管理の技をデータ化し伝承できるようにするに役立つ一方、農家の大きな負担になっている水の見回りを省力化し労力軽減、時間短縮に役立つといった一面もある。そう考えると、スマート農業の3つメリットごとにそれを実現するのに役立つ技術は何か、またそれがどの位の完成度に到達しているのかを検証していった方が良さそうなので、まずは、一番関心の高いであろう、「農作業の省力化・労力軽減が図られること」に役立つ技術について検証してみようと思う。
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