「天空の城ラピュタ」モデルの地で楽しむ料理と周辺の魅力 ローマ在住ジャーナリスト・茜ヶ久保徹郎【イタリア通信】2023年3月18日
アニメ「天空の城ラピュタ」のモデルになったと言われるチヴィタ・ディ・バニョレージョは、ローマから120キロほど北にあります。この地域は谷と丘が続く変化に富んだ景色と土地の産物で作った美味しいものが沢山あり、丘の上には中世の町が多く、数日かけてゆっくりと回ると楽しい発見のあるところです。
天空の町チヴィタ・ディ・バニョレージョ
チヴィタ・ディ・バニョレージョは、紀元前8世紀ごろ、先住民族であるエトルリア人によって作られた町で、中世の姿がそのまま残っていますが、地震や雨で丘がだんだんと回りから削られてきているので「死にゆく町」とも言われています。町に入るためには300mの橋を歩いて渡らなければならず(例外として50㏄のミニバイクと荷物運搬用に小さなトラクターが認められている)、町の外に移り住む住民が多く、現在の人口は13人とのことです。
ALMACIVITのロッキさん
しかし町にはレストランが5軒あり、とても美味しい料理が食べられます。
そのうちの一軒、ALMACIVITAの経営者であるロッキさんは「チヴィタのまわりには小さな農園が沢山あり、露地もの野菜や地卵、豚や鶏肉などが手に入るので、おいしい季節料理が提供できます。自慢料理は「トリフ入りの目玉焼き」そして「イノシシのひき肉のホワイトソースのかかった手打ちパスタ」。トリフもイノシシもみな近くでとれるものです」と自慢します。
プロフィーリ町長
現在、チヴィタはバニョレージョ町の一部。プロフィーリ町長は「チヴィタは宮崎駿の『天空の城ラピュタ』のモデルになった町。宮崎先生の故郷の町と姉妹都市になりたいと思っています。周辺には見るところやおいしい食べ物が沢山あるのでぜひ来てください」と語っています。
「死にゆく町」の隣町チェッレーノには「幽霊の村」があります。
ここもエトルリア人によって作られた町ですが、文書に残されているのは中世から。そして度々の地震や雨、経済的な理由により段々と住民が減って廃墟となりましたが、町が修復に力を入れてきたので、現在は魅力的な「中世のゴーストタウン」になっています。
ここから10キロほど離れたところに「おとぎ話の村」サンタアンジェロがあります。
壁画による村おこしのリーダーのエグレさん。
「2015年に村の若者3人と寂れていく故郷の村をストリートアートで明るくしようと考え「ヨーロッパの童話」を描くことに決めました。この企画を知った人たちの助けにより、2017年に最初のムラレス(壁画)「子供たちがアリスを見つけた」が完成、現在壁画は57。作者は25人の女性画家です。
120人の住民の大多数は高齢者ですが、ほとんどの人が賛成してくれました。
観光客は冬でも土日には2000人から2500人ほど来てくれます。
おとぎ話の村。壁画が書かれた自宅前のエグレさん
このようにチヴィタの近くには訪れたいところが沢山あります。何泊かするのならやはりアグリトゥーリズモがおすすめです。
Agrituismo Val di Coretoは天空の町チヴィタを見上げる谷間にあり、120本のオリーブの木に囲まれ、サクランボやリンゴ、あんずの木もあり自家製のオリーブオイルや果物を賞味できます。
部屋にキッチンのあるB & B。朝食以外は土地の美味しい料理の食べ歩きもできるし、頼めば自慢の料理を作ってもらうこともできます。
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