シンとんぼ(63) 食の安全とは(21)農薬の安全性の証明2023年10月7日
令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まったシンとんぼは今、そもそも「食の安全」とは何かということの検証を試みており、現在、「毒性の強弱を示す根拠」の検証のため、現在の安全の証明がどのようになされているのかを探っている。
これまで検証してきたように、途方もなく多い実験動物の犠牲のもと作り上げられた現代の科学データに基づき、「この水準であれば、まずもって人畜への健康被害は出ないだろう」という安全ラインが引かれる。加えて、仮に何らかの事故によって安全ラインを超えた農産物が生産されたとしても、その安全ラインを超えた農産物を人が食べても直ちに健康被害が起こらないように配慮されている。
事実、これまでも農薬を使用して生産された一般の農産物を食して健康被害を引き起こした例は皆無であるし、残留基準値を超過して農薬が残留した農産物が保健所等の検査で見つかった場合でも、その残留基準値超過農産物が原因となって健康被害を生じた例もない。
そのことは、残留基準値自体が100倍以上の安全を見込んだ上での値なので、当然と言えば当然のことではあるが、世間では「基準値の何十倍の残留が認められた」とか大騒ぎすることがある。一連の農薬登録までの毒性試験の流れを思い起こせば、仮に基準値の100倍の残留が認められたものを食べたとしても、それは動物実験において無毒性と判断された水準なので問題ないだろう。
ましてや、この水準は「一生涯、毎日食べ続けた時」という条件付きなので、基準値超過農産物を1回や2回食べたところで健康被害を生じることは無いとみてよいだろう。
これだけ説明を加えても、「虫が死ぬから毒だ、毒だから農薬は危険だ」という人にとっては、農薬を使用して生産した農産物は毒が入っているので危険だという考えを曲げないだろう。つまり、そういう方にとってはどんな基準でも安心を得ることはできず、唯一「農薬を使用しない」基準でなければ安心を得られないということだろう。
そうなると大変申し訳ないが、そのような方には、農薬を使って生産した農産物を買わないようにして頂くしかないだろう。全ての国民に選択の自由があるのだから、農薬が嫌ならそれを避けてもらえばいいわけで、農薬を使用して生産した一般の農産物やそれを購入なさる方を批判する権利はどこにもないと思うがいかがだろうか?
有機農産物を志向する方も一般農産物を志向する方もお互いの考えを尊重し、自身の考えに沿ったものを購入すれば良いと思う。あとは生産側がどれだけ需要に合わせた生産ができるかにかかっていると思うが、有機も農法の一つであり、農家に選択の権利があると思う。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日